旅のおまけ『およそ、倍』

イギリスの現在は物価高が著しく、生活を圧迫しているようです。
Paul の奥さんは、「ざっくり言って 倍」と。

実際あちらに10日間滞在して、食事代(外食)・ガソリン代・レンタカー代・ホテル代…
どれを取っても高かったです。
(写真はマン島 Kirk Michael のガソリンスタンド)
レンタカーはホントに倍、なかなかキツい金額でした…仕方ないけど。
食事も5、6年前から比べると1.5倍強、といったところでしょうか。
もはや £10.00 でメインミールは食べられません。

競技会のエントリーフィーも、もれなく上がっているそうで、
「軒並み £900.00 は下らない!ありえねーよ!」
(ちなみに今回出場した Manx National のエントリーフィーは £750.00 でした)
£900 = ¥150,000 現在のレートでこのくらい。
全日本って全然この位するよ?
しかもサービス車両の登録は別料金だったり(サービス車両がないなんて考えにくいのに)
サービス員の登録が別料金の大会も少なくないし(メカニック誰もいないなんて考えにくいのに)
何よりステージの本数も全然少なければ、距離も随分と短い。
km あたりに換算したら(お肉の量り売りみたいね笑)…
今回の Manx Rally は金・土のイベントで SS は17本。
全日本は…土・日で SS8本〜10本程度、SS 1本あたりの距離も比較になりません。

ま、モータースポーツ後進国の日本と比較しても詮無きことですが…

旅のおまけ『LAXEY』

LAXEY 島の東側、中頃にある小さな町(村かな?)です。

首都 Douglas から島の北の町 Ramsey までのびる Manx Electric Railway の中頃の駅。
駅舎ではお茶とケーキ等、軽食を頂くことができます。
約2名のおっさんは、アイスクリームを食べてました。

このLaxey を起点に、Snaefell Mountain Railway(スネーフェル登山鉄道)は Snaefell Summit(山の
てっぺん)まで達し、ゆったりと旅行者を運びます。
急勾配を行く、レールは2本+1…真ん中の1本は車輪が挟み込んで駆動します(フェル式)

ちなみに島で一番高いスネーフェル山の頂上に道路は通っておらず、頂上へ行くには鉄道を使う
必要があります。
…といっても、頂上には元ホテル?(カフェ)とベンチくらいしかないらしいです。
「らしい」と書いたのは、実は登山鉄道に乗ったこともないしもちろん頂上に行ったこともないから。
ラリーやっててそこまで余裕ないんですよね…悔しい。
娘は何度も行ってるそうですが、天気は運任せらしいです。
一緒に行った人の顔すら見えないくらいの濃霧もしばしば、とか。

最終の下り電車で、カフェのスタッフも山を降りるんだそうです。

***
Laxey には、織元があります。
Laxey Woolen Mills 先日記事にした、Manx Tartan とその他毛織物を生産・販売しています。
Manx Tartan はこのおじさんがずっと織ってます。
2012年も

2023年も(さすがにお年を召したけどこの織り機、自転車を漕ぐ要領で操作するので。
おじさんの背後では、織った生地の端の始末をするんでしょうか…女性が作業中。
フリンジに始末して、ブランケットにでもなるのかな?

***
マン島はかつて、各地で鉱石が採れてそれで栄えた一時代がありました。
どこの歴史とも同じように、それの運搬に鉄道が敷かれ港が開かれ、やがて廃れました。
Laxey もその一で、ここでは銀・鉛・亜鉛を採掘していました。
鉱山の坑道で出た水を汲み出すのに作られたのが、巨大水車 Laxey Wheel です。

現在は Manx National Heritage の管理下に置かれ、当時を語る工業遺産として保たれています。
稼働する水車としては世界最大と言われます。
坑道の一部を巡ることもでき、かなり前ですが行ったことがあります。

鉱山の中と外をつなぐ小型の蒸気機関車も、2004年を限って観光資源として復活。
あちらは当時の様子を伝え『遺す』活動が活発です。
祖先からの、自分たちのルーツや軌跡を正しく知り伝えることを怠っていません。
動態保存できなかったり、手を加えすぎてテーマパークみたいになってしまう日本のそれには
違和感を覚えます。

***
Laxey は小さな村ですが、港もあります。
Promenade(海沿いの目抜き通り、遊歩道的な)らしきものも一応…あります。
そこに、Laxey Beach Stop Cafe があります。

海を眺めながら軽食、休憩にはもってこいです。
今回はおっさん(1人はおばさん)ばかり6人で、アイスクリームを食べました。
イギリスらしからぬ、好天です笑

ホントはもう少し奥へ行くと、もうちょっとお洒落なカフェがあるんですが…
おっさんばっかだったのでやめました笑

旅のおまけ『 Fish Cake 』

イギリスメシを代表するのは、ご存知 Fish & Chips 。
よくイギリスメシをこき下ろす人がいますが、その辺りの話はまた別の機会にするとして、その量に
うんざりして美味しいものも美味しくなくなった経験はあっても、不味かった経験はないんです。
ま、日本同様、四方を海に囲まれた島国ですから海産物は美味しいに決まってますよね…
材料は cod(タラ)haddock(モンツキダラ)、ロンドン辺りだとカレイを使うなんて聞いたことも
ありますが、ロンドンの空港にしかいつも用がないので…ロンドンの事情はよく知りません笑

さて、今回何度か Fish & Chips 他、Fish Finger などいわゆる魚を使ったイギリスメシを食べたり、
人が食べてるのを横目で見たり(笑)してきました。

Fish Finger というのはスティック状にした魚の揚げ物。
草履みたいなサイズのメインミールの Fish & Chips はとてもとても食べきれないので、よく
メニューの
”Startar”(前菜)に載っているFish Finger を頼むことがあるのですが、今回出会った
Fish Finger は…
(Baguettes の欄に載ってた…こういうことだった…)

“Bite” に載ってた Fish Pie にすりゃよかった…
ちなみにFish Pie は、調理した魚などをマッシュポテトで覆って焼いたもの。
タラとサーモン、みたいに数種類のシーフードを閉じ込めたものも食べたことがあります。

“Fish ナンチャラ” について書きましたが今回もう一種類食べた “Fish ナンチャラ” が

Fish Cake

簡単に言うと、コロッケの挽き肉が白身魚に置き換わったような、そんなお料理。
旅の最終日にコッツウォルズで立ち寄った The Chip Shed で夫がオーダーしました。
なかなかオシャレなお店で、それでいて美味しくて。
take away もお客さんひっきりなし、納得のお店でした。
これが例の Fish Cake 。

食事してる時から2人で「これは家でできる!」とやんややんや。
帰国後 最初の月曜は、夫が長姉の病院の用件あってそれどころではなかったのですが、このお休みに
作ってみました Fish Cake !

見栄えは、お店のそれより劣りますがとにかく出来たっ!
ジャガイモを美味しく食べるレパートリーが増えました ❤︎

旅のおまけ『島で4回も会った人』

チャールズ3世の戴冠式の翌日5月7日に日本を発った我々は、翌日8日遅くにフェリーで島に
入りました。
翌9日に飛行機で入ってくるメンバーがいたので、サービスの備品を改めた後に空港へ(歩いて笑)
迎えに行きました。
フライトが少し遅れたらしく、空港でお昼を食べて待つことにしました。
我々の定宿 Sefton Express から徒歩で行かれる島の空港 Ronaldsway Airport は、コンビニ的な店や
さらっとご飯を食べられる簡単なお店もあるので、時間のあるとき散歩がてらゆったり過ごし
たりと、
なかなか便利な場所でもあります。

おばちゃん1人で切り盛りしていますから、食べられるものは限りがありますがでも十分 ❤︎
我々は渡航中の暴飲暴食をなるべく防ぐために、『本日のスープ』をオーダーしました。
あちらは、今でこそ生野菜が満足に食べられるようになりましたが、少し前までは

キュウリ輪切りどんどーん
レタスひらひらー
おしまい
 こんな感じで、まぁ期待できないものでした笑

寒い国だし、野菜は煮込んでスープ(どろっとしてます)が、食事で外さないポイントの1つ。
ココの「本日のスープ」は、かぼちゃのスープカレー&コリアンダー風味。
なかなか美味でした。

ところでこのおばちゃんとは、1週間の滞在中に4回も行き会ったんです。
信じられますか?
毎日空港に会いに行ったわけでもないし(シフトで居ない日もあるだろうしね)
ラリー関係者でもないからグランドスタンドで会ってたわけでもなし。

① 9日 空港でランチを買った時
② 翌朝(10日)キャッスルタウンの大学まで朝散歩に行った時
③ 13日 ラリー後表彰に出かける前に腹ごしらえをした行きつけのパブ Whitestone Inn で
④ 15日 島を出る日の朝

③は土曜の夜。
パートナーの人と一緒で、ピンクのワンピースを着てドレスアップしてました(カワイイ)。

④はフェリーのチェックインに合わせて5時に定宿を出て Ballasalla の町の中心へ向かう道すがら。
出勤前なのか、空港へ向かってスタスタ歩いていた彼女とすれ違いました。
空港で食事を頼んだ時にどこから来たのか尋ねられ、ラリーをしにはるばる日本から来た話をした
ので、トレーラーで競技車を引っ張っていた我々のことはすぐわかったのでしょう、目が合いました。

すっごいなぁ…来年また空港に行ったら、彼女いるかしら。

旅のおまけ『Castletown “George Hotel”』

キャッスルタウンは、マン島の南西部に位置する海沿いの町。
その昔は首都だったそうで、イギリスの「保存状態の良いお城」ベスト5に数えられる
Castle Rushen があることで知られます。

お城のそばにはモニュメントがあり…
(画像は Wikipedia より。お城側からモニュメントを見たところ。)

ラリーの時だけ、車道から右へ向かい広場(当時は時間貸の駐車スペースとして使用)を通って
奥を回ってモニュメントをシケイン代わりに使う名物コーナーがありました。
下の写真は 2009年 Rally Isle of Man の 氣谷・溝井組が、モニュメントをパスするところ。

キャッスルタウンは、我々の定宿 Sefton Express がある Ballasalla (バラサラ)からほど近く、
ご飯を食べに行くにも便利なところです。
1枚目の写真、モニュメントの向かって右に写り込むのは George Hotel 1階はパブになっていて、
いつも我々の胃袋がお世話になっています笑
今年もお世話になりました〜

正面の入り口の上はバルコニーになっていて、かつてのラリーではキャッスルタウンのタウンステージ
実況をしていたこともありました

バルコニーを見上げながら、長い指で持ったマイクをこちらへ向ける Bob さんを思い出していました。
戻ってきたよ。

旅のおまけ『春たけなわのマン島』

現地はちょうど八重桜が終わったような陽気、土手ですら色鮮やか…
これまでのマン島ラリーは秋でしたから、車窓からの風景ひとつ取っても、趣がだいぶ違います。

リバプールからのフェリーが着いたのが夜10時過ぎ。
到着した日は「いつもの道」をホテルに向けて疾走、気付きませんでしたが翌朝、車で出かけたら…
道の両袖には車が通るたび白い小花が揺れ、見上げれば若緑が勢い良く上へ上へ伸びる音が聞こえる
かのよう。

土手の上を埋め尽くすのは満開のエニシダ。
日本で見かけるのとはちょっと種類が違う…ハリエニシダ(Gorsh)っていうらしい。

Laxey Tartan の色にも使われている黄色は、ハリエニシダの黄色です。

Blue for sky & sea
Green for hills
Purple for heather
Yellow for gorse
White for cottages

Laxey は、マン島の東側中腹に位置する町です。
この町はまた別の投稿で触れるとして、今は Tartan の話。
Tartan って、名家や町、団体や学校等が独自のものを持っていることがしばしばあります。
日本でいうと家紋とか、それに近いものがあるかな…
家や町、団体・学校にちなんだ色を組み合わせるんです。

これまではラリーが秋だったので、荒野を埋め尽くす紫色の Heather しかお目にかかったことが
ありませんでした。(画像はインターネットから)

小学校に上がる前かな…の娘が着用してるのは、Manx Laxey Tartan のキルトです。

島/メインランドのあちらこちらでちょうど満開だったのが、コレ。
セイヨウトチノキ(マロニエ)、花は白/ピンクどちらもありました。
そういや銀座にマロニエ通りってありますね。
(かなり大きい木が多かったから、銀座に植えてたらさぞ窮屈…名前と雰囲気だけかな笑)

花が上を向いて咲いているので、桐の木かと思いましたが全然違った…

そこここに花がたくさん。
とにかく美しい島がより美しく、久々(6年)に行ったこともあり感動が大きかったです。

Manx National Rally 2023 Awards Presentation

7pm から、表彰式がありました。
暫定リザルトに見ると、どうも我々はクラス3位になった模様。
翌日、大慌てで帰らなくてよくなった(フェリーがずれた)ので、まずは行きつけ(笑)の
Whitestone Inn(Ballasalla)で腹ごしらえをして、向かうことにします。
ラリーが終わってホテルから戻る時に立ち寄って、Booking を済ませてありました…完璧です笑

Awards Presentation 会場、Douglas のイベントホール ” Woodbourne House
外には Fish&Chips を供する Food Truck が来ており、室内では各種ドリンクを買うことができます。
遅れること約1時間…やっと始まりました。
主催クラブである Manx Autosport から挨拶があり、続いて各クラス1位〜3位の表彰へと移ります。
H1 クラス(ヒストリックの排気量が小さいクラス)の表彰。
それからまさかの Best International Crew もいただきました。
イギリスが EU から離脱してからは、ヨーロッパ圏との行き来について各種手続きが大変になり、
(ま、我々はいちいちそれをやってるんですけどね)イギリス➡︎ヨーロッパ/ヨーロッパ➡︎イギリスと
イベントに行くことが激減しているようで、このイベントでも海外からのエントリーはほとんど
ありませんでした。(アメリカ在住のイギリス人、的な人には何人も会いました)
というわけで、いただきました笑

H1 のメンバーと、パチリ。

いろいろ大変だったけど、頑張って行ってよかった。
やっとローカルと渡り合えるようになった…気がします。

翌日のフェリーは取れなかったので、1日島でゆっくり過ごします。
次の投稿からは『旅のおまけ』へ移行して、道中のあれこれをしばらく綴っていきます。

Manx National Rally 2023 “Leg 3”

この日もいい天気!…イギリスのクセに笑
さぁ泣いても笑っても今日1日。
お天気に恵まれたことにまずは感謝しながら、精一杯 出し切れるように…

サービスでは、メカニックが片付けを始めています。
日中で終わりなので投光器はもういらない。
ウマ(リジットラック)の箱がだいぶヘタれてきたので、ガムテープで補強。

こんな遠いところまで来てもらってるんだもの…何としても完走しないと。


2009年、夫がマン島ラリーに復帰した際、お向かいさんだった地元の MG-B 使い。
それ以来、勝手に “Ex-お向かいさん”(元お向かいさん)と親近感をもって現地でも仲良くして
もらっています笑(ホントは Ex-お隣さん : Escort Mk2 もいたけど、もう久しく会ってない)
前日悩んだ給油のポイントを、どこで考えてるかと女房殿と聞きに行きました。
おぼろげに思っていたそれと同じで、安堵…

順調に、2番手3番手でステージを重ねます。
ところがドライバーはそこはかとなく、ブレーキに違和感を感じていたそうです。
SS12 終了後、ブレーキの異変は疑うレベルのものではなくなり…
大慌てで車をみたところ、ブレーキフルードがなくなってしまっていました。
ひとまず SS 前の TC(タイムコントロール)まで行き、車がたまっていたので TC をくぐってから
シリコンのブレーキフルードを足しました。
SS13 終わればサービス。
どうにかして1本走ってサービスへ戻らないと。
(戻れても実は20分サービス…どうにかなるのか?)

ステージ丸々 + サービスに戻るまでのリエゾンを、サイドブレーキだけで下りてきました。
1:48:55 あたりから、フットブレーキ無しで走ってる我々が写ってます…

これは、命からがら SS13 を走りきって、わずかなリエゾンを走ってサービスへと向かうところ。
ドライバー曰く、生きた心地がしなかった…と。


さてはて、20分のサービスでどうにかなるのか?

な り ま し た。
(メドが立ったので、トイレへ急ぐドライバーの後ろ姿が写っていますね)

結果から言うと、リヤシューが「燃えて」剥がれちゃった…
バランス配分とか、もう少し考えないといけません。
すんごい乗れてたので、その辺りを考慮に入れてセッティングを煮詰め直すそうです。

優秀なメカニックのおかげで、ブレーキも修復…最後のセクションへ。
SS16(13.65km)では再びクラス1位のタイムでフィニッシュ。
気を良くしていよいよ最終 SS17 へ!と思いきや…
「 SS17 はキャンセルだから、なんでもいいからグランドスタンドへ帰れ」との指示。
(ドメスティックラリーだから?雑だなぁ笑)
どうやらかなり若いゼッケンのどれかがやらかしたようで、やや肩透かしにあった格好で今年の
Manx National は幕引きとなりました。

あんなにあれこれあったのに、どうにか道の上に残って終わってみればクラス3位。
巨匠こと Peter さんと労いあって、爽やかな午後はやがて暮れていくのでした。

一応、競技のふりかえりはここまで。
次の投稿は、Award Presentation の様子を。
その先は、『旅のおまけ』シリーズへ移ります。
しつこくまだしばらく続きますので、どうぞお付き合いのほどを。

Manx National Rally 2023 “Leg 2”

Leg1 その1はこちら
Leg1 その2はこちら

波乱に満ちた(笑)ラリーのスタート。
Leg1 最終ステージの SS 4 で不運を断ち切って、次の Leg につなげたいところ。
しばしひと呼吸。
我々が Leg1 をフィニッシュのちややあって、シングルゼッケンは Leg2 スタートしていきます。
それにしても、なんていい天気なんでしょう!イギリスのくせに!笑

そうそう、毎回マン島の車検でお世話になっていた、HRCR のメンバー(現在は Chairman!)でも
ある Paul さんに今年も会えました。

2018年のマン島ラリーがキャンセルになった時は、本当に怒っていたのをよく覚えています。
「もう2度と Rally Isle of Man には関わらない!」
ま、歴史も伝統もあった Rally Isle of Man は残念消滅してしまいましたが。
(我々が今回出ているのは、マン島のモータースポーツクラブ主催のステージラリーです)

2019年、ベルギーの車検場で再会、「ココで会えると思ってなかった!」と大変喜んでくれました。

今回は車検をサービスに任せたので(Recce でそれどころじゃなかった)、その時は会えなかったの
ですが Marine Drive を使う Shakedown と SS5 Keristal のスタートにマーシャルとして居て、
そこで 会うことができました。
タイムカードに前走車両のゼッケンを記入する欄があるのですが、スタート前の競技者たちに
そこの記入を促していました。

「よく戻ってきた!」
今回、夫は何人にこの言葉をかけられたか知れません。
島の人たち、島のラリーに来るラリーストたちの温かさが、骨身に沁みました。
再び来る、なかなか険しい道のりでしたが、戻ってよかったと2人で話しました。
コ・ドライバーの私にまで、声をかけてくれる人 多数…
just sitting… I am light weight ❤︎ では済まない感じになってきました…

イベント中、どのタイミングだったか忘れましたが…確か2日目の午前中…前述のアプリに1件の
通知が届きました。

見ての通り、少なくとも5人のマーシャルが必要、求む!という主催者からのオファー。
リタイヤするクルーも少なくないので…
きっと車検委員の Paul さんも、人手不足からステージのマーシャルを買って出たんでしょう。
携わる皆でできあがる一ビッグプロジェクト、しかもかなり危険なことをしていますから…
日本から実に 6,000マイル。
遠く離れたこんなところで、いろいろな立場の人に支えられて、私たちは走っていられます。
何としても今年は完走したい。

***
閑話休題。
Leg2 が始まります。
Marine Drive “SS5” を走ってから、島の南へと向かいます。
Leg1 で走った、10マイル規制の磯づたいの道を続けて2度走るステージです。
日が暮れてきました。

給油をどこでしようか悩んでいましたが、もう閉まっているかと思っていた場末のスタンドがまだ
開いていたので飛び込んで(そしたら後からもう1台飛び込んできた笑)どうにか間に合いました。

ステージの方も着々と刻み、ついにSS8 でローカルヒーローを抑えてクラストップタイムを叩き出し、
満足のうちに夜の部を終えました。
最終 SS9 は、山の向こうから山へ上がって一気に下りてくる約18.5km のハイスピードステージ。
山の上では霧が!
乱反射してしまうので補助灯4つのうちスポットは消して、ノートとあとはセンターラインを見て
乗り切ったそうです。
(翌日、他のクルーに聞いたところによると、シングル&2ケタゼッケンあたりまでは、霧を食らわな
かったみたいです)
途中には、過去にスピンした深いコーナーもありましたが、そこもなんとかこなして。

車はすこぶる調子が良く、ジャンプの末にサンプガード(つまり車の腹のガード)を強く打つ、
そんな場面も何度となくありましたが、消耗だけでほぼ無傷で戻ってきました。
良い子、この子が一番頑張ってる!とひとしきり労いました。
もう使わない補助灯を外し、ひと通りのメンテナンスを終えホテルに戻る前に、サービスクルーが
日本から持ってきてくれた夜食(今回はそうめん!)で軽くお腹を満たして…消灯。

Manx National Rally 2023 “Leg 3” へつづく

Manx National Rally 2023 “Leg 1” その2

Leg1 その1はこちら

SS3 フィニッシュ直後に、時間はあるかとドライバーが尋ねます。

次の SS4 のスタートは近い(ATC まで与えられている時間は6分)んです…
そして、SS4 でレグ切れ。
ということは、各セクション毎に与えられるペナルティーフリーの15分が本当にあるんだとしたら、
何か策が講じられるかも。


時間はある!と私は答え、ドライバーは十字路を右に行くところを直進してすぐの広い場所で、
早速フードを開けてエンジンベイを覗き込みます。
コンタクトポイント(残念なことに新品)の不具合で、例の失火は起きていました。
私も1度は車を降りたものの、人の手や力は不要っぽかったので走り出しに備えてさっさと助手席へ
戻りました。
案の定、わずか数分で応急処置は完了、時間も大丈夫でした。

そして迎えた SS4 。
すっかり復調!
ステージ3本分のフラストレーションを一気に発散…
このステージは名物コーナー(我々は金子コーナーと呼んでいる)を通って、これまた名物の地点を
通って行く短めのステージ。
“Cattle Grid” をいくつも通過するのが特徴です。
Cattle Grid とは、蹄の動物(羊や牛など)が嫌がって敷地から出ない仕掛けで、路面は隙間の空いた
パイプです(=路面が変わる+滑る+ゲートが狭いので進入の姿勢をフラットにする必要あり)。

Special Stage の LIVE でもかっ飛んでいく我々のミニ car131 が紹介されました。
(2:10:02あたりから)

仲間が観戦していた、金子コーナーを行く我々。
ここまでは狭くデコボコした道を激しく上ってきて、ココで鋭角に右折、この先は広い道を走り
上に貼った LIVE のカメラが構えていたポイントへ進んでいきます。

やっとこのステージで3番時計(クラス3位タイム)、乗ってる側はそこまで怖さは感じません…
特に広い道では、自作のペースノートの効果も充分に発揮できていると感じました。
ドライバーは本当に走りやすかったようです。
これまでの3本の不調が、誠に悔やまれるところですがこれもラリー。
Leg 2 が始まるまでの間、しばし休憩です。
腹ごしらえをしつつ(食べっぱなしなのでナゲットとチップスです)

アイルランドのミニクラブの親子と交流したり…
坊やからステッカーもらったので右クォーターガラスに貼りました、丸いのです。
お礼に、持参した和三盆糖の干菓子をあげました。

完全復調、Leg2 はどうなるでしょう…
日没が遅いとはいえ、かつてのラリーからするとLeg2 5本と少なめとはいえ…
サービスナシのぶっ通し。
車を壊さず、無事1日を終えられるように。

Manx National Rally 2023 “Leg 2” その1につづく