Omloop(周遊)van Vlaanderen(フランダース)、英訳すれば “Tour of Flanders” 。
ミニマムで、ハイスピードで知られるベルギーのラリーに、やっと参戦できました。

私にとって今年は、1989年 Manx から始まった自身のラリー活動30周年。
30年の節目のメモリアルイベントは、そのマン島でお祝いする…ハズでした。
しかし世の中そうは上手くいかず、まさかの去年に引き続きマン島を走ることは叶わず。
でもそのおかげで英の所属クラブ HRCR が催すミニのチャンピオンシップの一戦に数えられるこの大陸のラリーに参戦するチャンスが巡ってきました。

2018年の Manx の突然のキャンセルによって、いろいろダメージを受けた我々ですが、我々チームは空いた時間を最大限に活用すべく国内ラリー参戦を始めました。

(撮影 吉田 史生)

好きでやってる貧困チームなので、国内だけでも毎度毎度大変なのにそこへベルギー遠征。
自分たちで決めたことですが資金は当然キツいので、競技車は大陸まで自走!
現地パートナーの住む Southport から、ミッドランドを横断して Kingston-upon-Hull までざっと220km.、夜行のフェリーでZeebrugge(ゼーブルッヘ)へ。
着いたら その日の夜に Shakedown が行われる Slypskapelle という小さな村へ直行、65km。
ギヤ比の低いラリー車にはリスクの高い旅のように思いましたがイヤ待てよ…私が参戦してきた90年代のヒストリックや WRC ではこんなリエゾン当たり前でした。
だからビンボーチームの我々は自走!
UK からの他のエントラントのフィニッシュは現地ポディウム、我々のフィニッシュは遠足宜しく Southport。

つまり…Southport まで無事に帰らないといけないので、フラットアウトはどうしても躊躇せざるを得なくて…
とはいえ今後の車輌製作もあるので、ある程度トライはしないと…フラストレーションが溜まるラリーでした。

車載カメラで明らかに抑える場面を何度も見て、やっぱり口惜しかったです。
でも、今まで体験したことのないいろんな感触を多く学んできました。
コースがまずまったく違います。
英国や日本のラリーのようなテクニカルコースではありません。
とにかく直線、そして交差点のスクエアコーナー。
とにかくスピードが出るので、ブレーキの使い方をよく考えなければなりません。

一方で、これは運営サイドに対するモヤモヤですが、ステージとリエゾン(ステージをつなぐ移動区間)、サービスの組み立て方に疑問を覚えました。
また、地元と隣国のクルーに見られた傾向ですが、リエゾンの途中で自由にサービスを受けているクルーをいくつも見かけました。
人ンちの軒先にテントが設営されていて、それは到底自力(ドライバー・コドライバーのみ)でどうにかしているようには見えませんでした。
まぁ、ベルギーのローカルルールなんだろなーって、軽く流すことにしましたがこれって、スポーツって観点『公平性』を問うたらどうなんでしょうね。
スポーツは経験値が高い方が優位なのは当然、ホームとアウェイっていう位ですから。
でも知ってる人だけ得をする的なのは、フェアーじゃないです。
そういう思いを今回、何度も…しました。
ま、仕方ありませんいい勉強になりました。
幸い我々は、公平なモータースポーツをどんな立場でも楽しめる英国でラリーを教わったので、大丈夫。

とにかくいい勉強。
経験値の引き出しに、とびきり新しいものがいくつも入りました。
これまで学んできたものをもってして、更なる展開ができそうです。
来年復帰を目論んでいる Manx のステージ攻略にも、大きく役に立ちそうです。

ひとつ自信になったこと。
私たちが学んだもので、教わった英国はもとより日本でも大陸でもラリーができる!確実に。
大きな財産です。

昨年の Manx のキャンセルにより私の『30周年構想』は儚くも砕け散りましたが、そのおかげで自分たちの 視野 / 活動 を一気に広げることができました。
ひたすら続けていたのでは叶わなかった、新たなる挑戦。
大きな進歩、ただじゃぁ転びませんって。

こんな思いをできるのも、続けていられるから。

私のガレージに車のメンテナンスをお任せ下さるお客様がいること
そして、このように参戦することに理解を示して下さるお客様がいること
今、一緒に活動するチームの面々が同じ方向を向いて、自然と力が合わさること
ツアーにお客様も参加して、本物を見てそれを楽しんでもらえていること
1989年以来、絶大な信頼を置くパートナー Paul が、惜しみない協力を尽くしてくれていること
英国や他国のラリー仲間が、影に日向に協力してくれること(時に心の支え)

…挙げればキリがありません。

今回、スゴイ出来事がありました。
毎年マン島へ通っていたので、島のミニ仲間のご厚意でラリー機材の多くを島のヤードに預けてきています。
今回ベルギーへ行くにあたり、機材を取りに行かねばならないところを、 Manx の John さんがフェリーに乗って! Paul の待つ Liverpool へ!届けに来てくれたんです。
両者とも「シノブはいいんだ、おまえがする必要ない」の一点張り。
ただただ感謝の2文字しかありません。
これも続けてきた結果なのかもしれませんが、周りの人々の協力なくして私の継続はなかったでしょう。
力を貸してくれた人、見守ってくれている人、そんな多くの人を裏切らないためにもこれからも可能な限り続けます。
女房殿がコ・ドライバーを続けてくれて、家族の理解が得られば。