午前中は、通称みかん(Fiat 500)のオーナーが試運転に見えました。
エンジンの O/H を済ませ、エンジンをかけるたびに微小ながら変化があります。
「ならし」は乗らないとだけど、少しずつ馴染んできているのがわかります。

オーナー は20代の女性、でもエンストしなかった!
エンジンが静かすぎて、エンストしまくりと勘違い笑
これまで彼女と婚約者の彼とが見てきた、乗せてもらってきた 500 とはあまりにも
違っていたんだとか。
イヤ素性の素晴らしい車でね、これがホントの素の姿なんですよ。
だからこそ世界で人気があるし、圧倒的な生産台数だし、国のアイコン的存在。

これは一昨年、サンマリノのギヤボックス屋さんへ行ったついでに立ち寄った、ミラノの街角。
未だに『マイクロカー』として、人々の生活の足として使われています。
よくみると、路駐してませんよね…ココ、歩道笑

私たちはそんなこの車の良さを損なわないように、修復してるだけ。
強いて言うなら、この車の素性と歴史に敬意を払って、触ってる。

オーナーさん方は終始ニッコニコ。
思えば足掛け3年近く。
彼らがグレイスに「500 を探して欲しい」と訪ねてきたのは、人知れず 500 への気持ちを捨てきれずにいた
私の背中を押す格好になった出来事でした。

体制が整うまで…私が現地へ赴き車両や環境を探しに行く…それまでの間に、いろんな感情が交錯したそうです。
知りたい一心、仲間になれたら…との思いから、 500 のオーナーさん方と数多く会ったり車に乗せてもらったり。
ネガティブな情報をはじめあまり楽しい思いはできなかったそうで、グレイスから「車をミニ現地へ発つ」と
連絡をした頃は、半ば 500 を諦めかけていたところだったんだとか。

そこへ微かな光が射す予感。
初めてお会いした時は学生さんだった彼女も、社会人となり憧れの 500 を手に入れる資金も貯めて。
そこへ世界規模のパンデミックで思わぬ邪魔が入ったけれど、気持ちの行く手を遮られると人はますます
思いを募らせるのは、相手が何であれ同じこと。
人を想ったり、行事を楽しみにしたり…
グレイスでも、そんなはじめの一歩のオーナーが不安なく乗れるように、また今後グレイスから走り出す
Fiat にどういう手入れをするべきか、パンデミックに伴う粛正の間に頭と手を動かしていました。

そして、機は熟したわけです。
時間はかかったけど、たくさんお待たせしちゃったけど、その時間も含めて何もかもが良く運びました。
車庫証明の書類も渡し、いよいよゴールは近づいてきました。
奇しくも本日、事前審査の書類も通り あぁこの物語も、クライマックス(大袈裟?)!
…でも、ホントはココがゴールじゃない。
言うなればここまではドラマチックなプロローグ、古い車のある心豊かな暮らしはココがスタート。
いよいよ『始まる』んです。
車を交えたお客さまとのお付き合いも、ココがスタート。

1号車が若い方の元にお輿入れする、本当に嬉しいです。
若い方に古い車…車に限らず時間の経ったものを慈しむ、そういうことが伝わったらいい。
これからの時代、パンデミックで世界の様子が変わった今、絶対に生きるヒントになると思います。
お金が湯水のようにかかる古い車は贅沢なのか?
湯水のようにかからないように、最初にしっかり、日本で走り出す前にきっちり整えます。
捨てないから、長い目で見たら決して無駄でも贅沢でもないんです。

『憧れ』から本質にたどり着いた若者の前に、今まさに古い車を通して新しい世界が拓けようとしています。
こういう場面に立ち会えて、本当に嬉しい。
今日はいい日です。
たくさんの若い人に伝わったらいいなぁ…

…とまぁ、これが午前中の話。
午後にも Fiat を巡って、いい話。

つづく

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