「豊かさ」のはき違え

休みの朝。
女房殿が朝っぱらから、イギリスのプラスチックバッグの有料化の話を。
日本は2020年7月、ようやく有料化されましたよね。
UK は2015年の有料化(5p/bag)に伴って、圧倒的にプラスチックバッグの消費は減って、海に落ちてる
ゴミも減ったけど、同時にペラッペラじゃなくてちゃんと厚みのあるバッグを数ポンドで販売してるって。

しかも使い込んでヨレヨレになったら取り替えてもらえるって!

ホントですか…
ハイ確かに、イギリスの政府からの情報をたまに閲覧してる ”GOV UK” にありました。

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Carrier bags: why there’s a charge
(キャリアバッグ:なぜ料金がかかるのか)

3. Bags for life(生活用バッグ) 以下はこの項目のみ抜粋&日本語訳

As a shopper, you can avoid being charged by bringing your own bags. In some shops,
you can buy thicker, reusable ‘bags for life’. Typically, you pay for these once, and can return them
for a free replacement when they wear out.

買い物客は、自分のバッグを持参することで請求を回避できます。一部のショップでは、
厚く再利用可能な「生活用バッグ」を購入できます。通常、これらの料金は1回支払うだけで、
摩耗した場合は無料で交換できます。

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引き取ってもらった古い袋は、リサイクルされるようです。
我らが? TESCO のウェブサイト、ショッピングバッグのページを覗いてみると…
(2度クリックで大きくなります)

フムフム…

Bag for life … 生活用バッグ、
見方によっては『一生モノ』とも解釈できるなぁ…おもしろい。

***

この話を聞いて、パっと思い出したこと。
すぐに女房殿に話しました。

私が小さかった頃、商店街のカゴ屋さんで買い物カゴを買うとずっと面倒を見てくれました。
傷んだら修繕、「お代はいいよ!」ということもあったのを覚えています。

カバンもそう、靴もそう。
シャツも背広も、明治生まれの父は行く店が決まっていました。
着慣れたワイシャツをカフスだけ、襟だけ、お直しに出してはまた袖を通す姿を見ていました。
思うに、決して安くはない…むしろ値の張る品々だったんでしょうが、変わらず使い続けられる
心地よさがあったに違いありません。
『作り手の誇り』にも溢れ、身につける側もそれを感じて。
ものが溢れかえる前、いい時代でした。
父は仕事柄、そういう社会に身を置いていたので余計かもしれませんが、直して使うのは
世の中何でも当たり前、ついこの間までそうだったのに。

町内に、2,000円でスラックスのファスナー交換をしてくれるお宅があることはココに以前書きました。
20年くらい使った財布のファスナー交換のことも紹介しました。

こういうことは、私が小さい頃は割と当たり前でした。
家でだって、かけはぎのような専門的な技術はなくとも繕い物、してたもんです。
どうなっちゃったんだ…

自分自身が直すことに従事しているので、勘弁ならないことだらけなのですが、直す技術がないことを
居直って、できないことをカネに置き換えて安く買える(=使い捨て)を善にすり替えているように
思えてならないのです。
サイテーです。
自らが身を置く『自動車業界』を例にしてみます。
手を加えない人たち = 新車・中古車販売 は安いこと(何もしないからね)が、売り。
手を加える我々のような工場は、手が動くことでモノがよくなることが、売り。
従って、安くはなり得ない…なぜって、人の手がかかっているから。

グレイスに足を運んで下さるお客様は、何を買いに来るの?
コレ、わかりやすいですよね。
経験に基づいた手仕事を、買いに来て下さるんです…ますます身が引き締まります。

ジャンジャン買い換えることは豊かなことでしょうか?
いーえ。
長く慈しむ心を養えていない=心が貧しい。
ちっとも豊かじゃない。

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