出張、というか公務、というか。
新幹線とセットで使うとお得な『駅レンタカー』を使います。
国内で借りることなんてほぼない、しかも私が借りるなんて…
駅前に宿を取ったので、連れが朝食後一服しているうちに帰りの新幹線の切符を発券して、
レンタカーを請け出して。
行き先は…
そう、菩提寺とお墓です。
今日はいつもの面子ではなく、お供。
夫の長姉(86歳 独居)の墓参です。
3月、先立った弟の納骨をしましたが北陸はまだまだ春浅く、義姉は見合わせました。
あったかくなったらね…
ところがこの感染症騒ぎ。
老齢の義姉には距離だけでなく、遠い遠い場所になってしまいました。
いつ行けるだろう…?
安全になったら…?
60代で大病をしましたが以来病を上手に飼い殺し、もはや化け物級のご健勝。
とはいえ86歳。
昨日よりは今日、今日よりは明日、確実に歳をとる。
金沢に雪が降る前に、強行しよう…いつにしようか。
決算も終わり、赤レンガも終わり、クリスマスカードに着手(ヤバい!)するわずかな
『間』を狙って、連れて行く!
そう申し出て、墓参のお供と相成りました。
感染のリスクが少なくて済むように、世の情勢の平かなことを祈りながらその日を迎えました。
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一夜明け。
予定より早くスタートできて、喜んだのもつかの間ちょっとした問題が。
お供えするお花をどうしよう!
せっかく早く出たのに、スーパーが開くのを待って時間調整っていうのもイマイチです。
さぁ考えろ…
金沢には市場(近江町)がある!花屋の場所も覚えてるぞ!
ということで急行、市場の駐車場に飛び込み助手席の義姉にホテルでもらってきた地元紙を渡して、
頃合いの仏花を3対買い求め、えーっとサンキライの枝の切れっ端も買ってしまいました…
(持って帰ってくるの、さりげなくジャマだった)
朝の市場は目を引くものばかり。
加賀野菜にカニ、カニ、カニ…
加賀の小芋、小芋ったってカゴ1山だって買えば重たい(帰りは電車だよ!)
源助大根、珍しいね…(帰りは電車だよ!)
カニ漁解禁、シーズン到来!加能ガニ、香箱ガニ(雌ズワイガニ)がずらり(帰りは電車だよ!)
後ろ髪を引かれながら、市場を離れました。
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おかげさまで東京を経った日も金沢もお天気で、ホッと胸をなでおろします。
雨でも降っててごらんなさいな…時間は倍かかるし疲れも倍増です。
お寺でビックリされ、来年も来られますようにと合掌してお墓へ。
お地蔵さまが大事に守られていて、お花もまぁキレイにお供えしてあってまぁ〜
造花でした…
そ、そりゃそうですよね…
お墓からは海が見えます。
義姉曰く、昔はもっと海がよく見えたそうで、おそらく浜とお墓の間に
『のと里山海道』っていう自動車専用道路ができたから。
時々目にして思うのですが、なんで漢字があててあるのに漢字を使わないんだろう。
能登、でいいし河北市(かほく市)、でいいじゃないの。
浅野川の北側を河北郡とした、っていう歴史があるんだから踏襲しないと。
歴史が遠くへ行ってしまう。
でも一方で、金沢市内にはいわゆる旧町名を復活させた例もあります。
主計町(かずえまち)は全国で初めて旧町名が復活した、第一号。
加賀藩士 富田主計(とだかずえ)の邸宅があったあたりだそうで、人名に因んでいます。
何でもいいけど、日本海側の土地と縁ができ、歴史を知りたくなるとは思いもしなかったな。
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氣谷のお墓も清めて、玉砂利の隙間から生えてきている雑草を抜いて。
よく陽が当たるところが少し苔生していたので、ゴシゴシこすって。
花入をゴシゴシ洗って、花を活けて、打ち水をして。
あるったけのお線香をモクモク焚いて、また来年来られますようにと合掌。
順調です。
いつもは目の回りそうなスケジュールですが、ゆーったり組んであるのでバッチリ。
こちらへくれば必ず寄る亀屋さん(蕎麦屋)も、もちろんスケジュールに入っています。
街道沿いですが電車で来ていた彼女はもちろん知らず、大変気に入ってくれました。
天せいろを揃って注文、細めのそばも喉通りがよくて好評。
街道の紅葉が綺麗です。
私の住むところは近年、紅葉がダラダラでいけません。
気温差で色がぐんと変わる落葉樹。
横浜は立ち枯れみたいに年が改まる頃までダラダラ…
すべてのミッション(亀屋含む笑)を終え、無事レンタカーを戻しお茶を一服。
帰宅してご飯を炊くくらいでいいように、土産物屋でかまぼこやら凍った海産物の加工品やらを
買い求める時間まであって、ゆっくり新幹線へ乗り込み帰宅の途へ。
これは車窓から。
うん我ながら上手くいった!
自画自賛!
コロナ第3波とかって金沢で報道を見ましたがあとは、2人ともいつになくウロついたので
無事でありますように…
そして来年もまた2人でお参りできますように…