去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ①

8月の頭に、私の実家の面々(母、妹、妹の次女、三女)と私、娘とで1泊旅行に出かけました。
夫不参加、父も不参加、妹の亭主も不参加。
女ばかり6人、すんごい面子です。

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母は2年前まで、在宅で姑(父の母=私の祖母)をずっとみてきました。
70代に軽い脳梗塞を経験しただけで特筆するような疾患はナシ。
年なりに物忘れや季節の変わり目に体調を崩したりしながらも、101歳まで生きました。
妹が介護職なので、母はそのサポートを受けて在宅介護をしたいたとはいえ、家を大きく空ける
こともできないし、(祖母が激しく内弁慶だったこともあり各種サービスはあまり使わなかった)
性分も手伝って、最期は病院でしたが最後の最後まで家で過ごすのをサポートしました。
まさに献身的、そして家を守る存在でありました。
多分それは現在も継続していて、隣に住む妹一家はどれだけ世話になっているんだか…

祖母が旅立ったのは、コロナがじわじわ広がりだして世界規模のパンデミックに発展する頃。
外出の制約を受け、面会制限などが敷かれる直前のことでした。
この春に3回忌を終え、まぁひと区切り。
母も心おきなく出かけられるようになったことだし…

おじいちゃんおばあちゃん(母の両親)の墓参りにお母さんお姉さんたちを誘って行ってあげない?
みんな年だしラストチャンスになるかも…

これは、いつも世話になりすぎている(予想)私の妹の発案。
母は4姉妹の末っ子で、一番上は11歳上の85歳。
(おそらく)生涯独身で未だ独居、なかなかの化け物っぷりですがでもいつまでもは続かない。
2番目3番目も、まぁ歳なりに体の不調や飼い殺している病気もあったり。
4人まとめて私と妹で、富士山の麓にある両親のお墓へ連れて行ってあげようか、という思いつき。
いつも母におんぶに抱っこの妹が、たまにはいいことを思いついたね…と感心したのも束の間…

なんと全員断ってきた笑
毎日手を貸してもらっている家族と泊りで出かけるならまだしも、滅多に会わない親戚とではもう
煩わしいのかな…
他に理由は思いつかないんだけどとにかく、それぞれが断ってきました。
妹の久方ぶりのクリーンヒットかと思いきや、盛大な空振りに。
皆が行かないなら、墓参りなんかいつでも行けんのよね。
といわけで話は振り出しに…さてどうする?
すると母は

「上げ膳据え膳の温泉に行きたい」

母のささやかな希望を叶えんがために、私が企画。
修善寺に宿を取りました。
修善寺といえば、明治の文豪たちも好んで逗留した古い温泉郷。
川沿いの『新井旅館』を予約しました。
建物の一部が、文化財に指定されているというこちらの宿。
どんなかな〜構造物マニアとしては期待が高まります。


少し涼しくなったところで、真夏の「慣れない」温泉旅行記、しばしお付き合いください。