長くやってると

ウェブサイトのトップページにも記している通り、店主こと私がこの店を出してはや36年。
干支が3周するような年月。
短いような、長いような。
ミニと同い年の(1959生)26歳だった私は、おかげさまで今年63歳になろうとしています。
ありがたいことにだいぶ長いお客様も多く、店を開けた頃(開ける前の方も!)のお客様も未だ
いらっしゃいます。
未熟だった頃から、車をお任せ下さることで成長してこられました。
本当にありがたいことです。
しっくりくる表現が見つかりませんが、お客様も一緒に成長してきたように思う部分もあります。

年齢が進み、お客様の中にリタイヤする人がちらほら。
そして、私より年上の方にあっては、身の回りの整理…いわゆる『終活』の一環として車の整理を
考える方もおいでです。
考えたくない…気持ちもありますが、古い車に携わる者としてはありがたいことでもあります。
その人のもとは離れても、然るべき元へ受け継がれれば車は存続できるでしょう。

車を「己の所有物」としてしか見られない人もいる中で、
歴史の遺産として自分の手元を通過するように思っている方はまだまだ少ない中で、

ずっとお世話してきた我々に後を託してくれるんです。
本当にありがたいことです。
バトンのように思って、我々は扱っているつもりです。

これまで、何台となくうち棄てられた車を見てきました。
狭い業界の中で、変わり果てた姿になった車も。
何度もくどいようですが、車は人間が生み出した道具。
自分では何もできません。
1cm だって動けないんです。

車が活きるも死ぬも、携わった人次第。
せめてグレイスと袖触れ合った車だけでも守りたい、日夜そう思っています。