そうだ、お墓行こうファイナル

平日ですがお休みをいただいて、石川県へ墓仕舞いに行ってきました。
あちらの墓を仕舞って、引っ越し(改葬)をするためです。
今回は都合で早朝発の日帰り、とんぼがえりでした。

代々先祖が祀られてきた本家の墓を、自分の代で自分の拠点に移す。
今は縁者が誰もいないお墓しかない土地へ、片道600km 走っていくのはいささかナンセンスです。
自分の後のことを思って、最良と思って、いろんなご縁に恵まれながらグイグイ改葬の支度をしてきました。
どうしても墓石ごと引っ越ししたかったので、ハードルは一気に上がりました。
何故墓石にこだわったか…実は墓石に掘られた字が、達筆だった父の筆によるものだから。
ナンチャラ霊園的なところは墓石を『買わないと』改葬させてもらえないんです。
でもいくつもの奇跡が、氣谷家の改葬を実現へ導いてくれました。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、お金がとってもかかる上に思うような改葬にならないかも…
一度は暗礁に乗り上げかけた、そんな状態だったので話がトントン進んで安堵していたのですが、
いざ仕舞うその段になって、果たしてこれで良かったのか一瞬考えてしまいました。
娘や息子に墓仕舞いを済ませたことを報告すると、

「ありがとうございました」

2人ともそう言いました。
それだけで、もう十分と思うのは私だけでしょうか。
家を、家族を思う人に育って、心から嬉しく思いました。
改葬を決断して良かった、そう思っています。
身近にあればいつでもお参りできます。
自分らのルーツを、より近くに感じられます。
やっぱり決断してよかった。

***
とんぼがえりにつき、食事も高速の SA で済ませます。
あれは中学生かな…集団競技でしょう揃いのジャージを着て、バスで遠征に向かう…おそらく
そんなところでしょう。
SA のフードコート、食券の券売機が2つ。
2つ共に学生がズラ〜と並んでて、一向に列が進まない。
我々の頃なら、そんなことしてたらぶっ飛ばされたでしょう。
今ドキの引率の先生は、きっとそんなこと注意しないんでしょうね…
1台は一般の利用者に空けておく、昔なら常識だけど。

女房殿も、いくつもない ATM をずっと占拠してる人によく出くわすそうです。
彼女は、用件いっぱいの時、途中で切り上げて最後尾へ並び直すんだとか。
昔なら常識だけど、今はそんなことする人 少ないのかな。

***
帰り道、新東名の島田金谷IC の手前にある、大井川に掛かる橋。
お客様の競技車のエンジン慣らしに来た時のこと。
森掛川で Uターン、戻る間に不具合が。
電話で息子にトラックで向かってくれるよう要請し、路肩に止めて救援を待っていると…
道路公団?の車が、止まってくれました。
救援要請済みであることを伝えると、無理に引っ張ってどこか最寄りの IC まで引っ張る必要もないと
現場で判断され、すると作業員さんはその反射板のドッサリついた防寒着を貸してくれました。

「この袋に入れて、橋の欄干に縛り付けておいてください次の巡回で回収しますので。」

カギつきのワイヤーロックと一緒に袋を渡され、防寒着はそこへ入れて橋の欄干に結わいつけて
おけばいいと言います…
その日はとても寒くて。
まさか車から降りるとは思っていないので、軽装でした。
こんな話あるんだありがたい。
するとその作業員さん、ラリーストで。
全日本に出ている私のことをご存知でした(彼は地方選に出たりしてるらしい)。
世界狭すぎ、いつどこで誰が見ているかわかりません…

現場に差し掛かり、そんな出来事を思い出し女房殿に話しました。

***
夕方、ようやく富士宮付近まで戻ってくると、まだ雪を被った富士山が美しい姿を見せてくれました。

さんざん綴ってきた『そうだ、お墓行こう」シリーズ
石川県の先祖代々のお墓に行くことはもう…ありません。