不易流行

この言葉をご存知でしょうか。
江戸の俳人、松尾芭蕉がその著書『去来抄』に謳った俳諧の理念の一つ。
私は、俳諧に限らず何事にも通じるものがあると思ってますが…

不易を知らざれば基(もと)立ちがたく、流行知らざれば風新たにならず。
不変の真理を知らなければ基礎が確立しない、変化を知らなければ新たな発展はない夫はちなみにこの言葉を知りませんでしたが(俳諧なんか興味ない笑)、夫のやっていることはまさにこれに尽きると思っています。
自動車の、更に特化してミニの普遍的な部分…自動車工学や重力 / 理論に則ったところは大切に忠実に。
まず時代の流れと共に変化していく素材や原料、それからテクノロジーの進化、そこを研究してよく知り、有益とあれば取り入れていく姿勢。

そこに忘れてはいけないのが…倫理観。

ちょっと極端な例ですが、わかりやすいところで1つ。
オリジナル!にこだわって、クラシックカーの同乗体験イベントで当時もののタイヤを履いて人を乗せる…
これは動きを伴う道具として完全に NO
展示ならまだしも、オーナーが乗るだけでも周りの交通を考えれば NO です。
まして人を載せるだなんて。


各機構の、修復や整備をする際にも実はいちいちバランスを取っています。

– タイヤが格段に進化していること、構造までその昔とは変わっているし
– ブッシュ類の素材の進化
– 時代の移ろいに伴い、例えば環境の観点から使えなくなった素材と代替の素材

手を動かす側がどう対応するか、新しいテクノロジーはなんでも取り入れてヘーキなのか。
根底にあるのは、『古いものである』ということ。
人間の生み出した道具であり、行動を格段に簡単なものにした工業遺産であるということ。
手を動かす側は常に勉強し研究し、それが果たして相応しいものかを考える必要があると思っています。
ただ、モータースポーツなど安全の観点からは、最新のもので等しく最大限に身を守るのが常識。
FIA が規則を年々更新して、業界はより安全にイコールコンディションで競技に臨めるよう統括しています。

その車の資質を損なわないように良さを更に引き出せrるよう日々精進しています。
『不易流行』の理念を常に忘れることなく。