オーナーも DIY

Mk2 Cooper ‘S’ ご縁を次のオーナーにつないで、これから作業に入ります。
新しいオーナーはスポーティーにも使いたい!
ということで、午前中はカーペット等内装を取り除いて、午後はバケットシート取り付けの準備を
します。

エンジンも一度下ろします。
使用するサブフレームの剥離はオーナー自ら作業しています。
DIY で自分の車の作業に携われる、グレイスみたいなガレージの醍醐味かもしれない。
もちろん全てお任せいただく方のほうが圧倒的に多いですが、小物の掃除ひとつだってやれば
愛着も湧くというものです。

ボディの作業など、時にボロボロの個体をパネル交換などしながら剛性の備わった、錆に強い車体へと
蘇らせる…出口の遠い、心の折れそうんなる作業です。
オーナーが様子を見に寄ってくれたりすると、概ねお待たせしちゃうことが多いのでプレッシャーに
感じつつも、気持ちがより入って踏ん張る気合をもらったりします。
…こちらも人ですから。

今回のように車の橋渡し 前オーナーから相談をされて次の乗り手へつなぐ お任せ下さるケースが
増えました。
ありがたいことです。

最近ではだいぶ減りましたが、その昔は手塩にかけた車をどっかへ売っぱらわれちゃうことが少なく
ありませんでした。
確かに、煮ようが焼こうがオーナーの好きなんですが。
輸入するところからお世話している車も少なくないので、それやられると正直がっかりします。
開業以来、淡々と続けてくることでグレイスの車への向き合い方をご理解下さる方も増え、車が
どこかへ行ってしまうことはだいぶ減りました。
ありがたいことです。

グレイスの30周年を記念して作った、お得意様に粗品として配った手拭い。
使った日本の古典柄は『結び文』でした。
ちなみにミニの絵は娘のスケッチによるものです(当時小4)。

車(ミニ)と人を結ぶ
人と人を結ぶ
時代(製造当時)と時代(今)を結ぶ

そんな想いを込めて結び文を選びました。
今回もまた1件、『結ぶ』ことができました。

講習会参加のお知らせ

7月25日(火)は、メカニックが揃って、講習会受講のために終日不在にします。
この日は 10am – 5pm 迄 電話対応のみとなります。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

***
当工場は国から自動車特定(分解)整備事業の許可を受けた『認証工場』です。
入り口には、該当事業者であることを示す黄色の標識が掲げてあります。
今回の講習は、我々が主に取り扱うミニに代表される年式の古い車にはおよそ無縁のものですが、
一般的な現代車の整備を担うには必要な許可です。
お客様が所有する他の車の、ちょっとしたお世話にも許可が必要です。
許可を得た事業者は、標識が黄色から若草色になります。

現代車は部品の供給も期限付きのようなところがあり、我々の取り扱う車たちとは性格的に相反する
ところが多いのですが、更に皆様のお役に立てるよう体制は常に整えて日々の事業にあたります。

重ねてご理解とご協力を予めお願い申し上げます。

さ、どんどんやるわよ

おじさんの日常の足、シルバーのミニも無事納まりました。
乗って帰る前に、既にビックリしてたから…乗ったらもっともっと。
慣らし運転が進めばエンジンはもっと軽くなるし、燃費も良くなる。

直せるって、尊いですよねー
これがイチイチ定期的に車を買い替えてたら?
なんて不経済なんでしょう。
人が道具に馴染むのに時間もかかるし。
ミニは設計の古い車、つまり…直すことを前提に考えられてる時代の車。
需要があるから、部品も作られてるし手に入ります。
経済的だし、馴染んだ道具を長く使うことができるし、一石二鳥いやそれ以上かもしれません。

昨日はミッションを1機 組みました。

材質や精度、道具の進化によって今、古い車の各機関をオーバーホールすることはとてもいい結果が
得られます。
うーん、上手く言えませんが様々技術が向上し、例えばミニが積んでる Aタイプエンジンを今組むと
組み合わせ如何でとてもいいものができる、ということ。
もちろんそこには、倫理観も大いに加味される必要があると我々は考えます。
学びを怠らず、時代とテクノロジーのすり合わせをすることで、とても良質な機関に仕上がります。

エンジンも、トランスミッションも、足廻りもしかり。
是非、これまでグレイスが積んできたデータに基づく、各種オーバーホールをご体感頂きたい、
強く思います。
それで、更に長くそばに置き道具として役立ち、暮らしの相棒としてあり続ける。
素敵なことだと思いませんか。

いつか、っていつ?

ミニのインジェクション車、外装あたりをちょちょっと小綺麗にした個体が、法外な値段で売買されて
いるのを見かけます。

美車!希少!とか何とか…

もちろんボディも大切ですが、車は「走って/曲がって/止まる」この基本動作が安全にできて
初めて人の役に立つのです。

このグレイスの在庫車は、1998年式 製造から実に四半世紀が経過しています。
どんなにキレイに丁寧に乗ってきても、経年劣化や道具としての疲労は現れます。
車自体の価値としては正直言ってありません。
そこに「走って/曲がって/止まる」基本動作を的確に授けたのが、このミニです。
ボディもリフレッシュし、内装も新品。

ストレスなく、製造から四半世紀が経過したミニのある暮らしが、すぐに始められます。

ミニは設計が古いし、今のテクノロジーとはおよそ無縁なので今ドキのクルマしか知らない人には
戸惑うこともあるかも…
イヤ、その昔を知っていても忘れてしまっている我々の世代もいるんです。
パワステなんて、高級車にしかなかったよ?
手巻きのウインド、知らないなんて言わせないよ?
“Automatic” なんてわざわざ言うのは、Manual があるからでしょ?
クーラーなんて、もともと付いてなかったよ?

いいじゃない、少しずつ慣れましょう。
昔を知る人はアナログな道具を思い出しながら。
年式の新しい人(=若い人)は、アナログに新鮮味を感じながら。
電子デバイスに支配されないアナログなその道具は、乗り手の五感を刺激してくれます。

古い設計ゆえに「直す」ことが基本。
今ドキの車のように使い捨てません。

これから先、ミニはその愛らしい見た目とは相反して、お世辞にも「可愛らしい値段」では買えない
車になっていくでしょう。
いつか、チャンスがあったら。
いつかっていつでしょう。
いつか、は今かも。

250万円でミニが始められる、今がそのチャンスかも。

積む。

エンジン積みます。

途中経過。

今日はエキゾーストまでつないで、着地させて帰宅しました。
明日、キャブレータ廻りと細々でエンジンがかかる予定っ!

どんどん組む

日々の足ですもの。
どんどん組みます。

***
飛騨高山の郷土玩具、でんでん太鼓をお客様が下さいました。
ピーンと張った和紙に軽やかに木の球が当たって鳴る音は、なかなかに通ります。
さるぼぼ、子がすくすく育つようにという縁起物なんですね。

今回はサーモンで

今年の都営でハマった Fish Cake 。
お客様お手植えのきたあかりで先日はコロッケ、今回はサーモンでフィッシュケーキ作りました。
週末にちょっとしたお祝いごとがあって、人が少し集まり家で食事会なので…
女房殿の手助け、一品作ります。

この後コロッケ同様に衣をつけたら、個包装してぜーんぶ冷凍。
今日は今日で、昨夜頂いたカツオ(半身)をタタキにしていただきますので〜

バーナーで豪快に
相変わらず、季節の恵みを頂きっぱなしの氣谷家です…感謝。

在宅老人ホーム

なんだこりゃ…

***
実は年の離れた独り身の姉の通院に、ここ3年ほど付き合ってきました。
手術に耐える体力があったので、86歳になる月にステージ3の胃がんの手術をし、以来手術では
取れない部位にあったがんの治療などに付き添って、時に治療方針を一緒に検討したりしてきました。

4月頃から、未だ巣食っているヤツの仕業で芳しくなく入退院を繰り返していますが、年齢的にも
諸々いよいよ厳しくなってきました。

本人の強い希望で自宅へ帰ることになったのですが…
彼女の住まいは巣鴨の1Kのマンション。
横浜にいる我々が、どんなに工夫しても自力で介護は不可能です。
ホントは施設でお世話になるのが我々も安心、本人も安全なのですが頑固すぎて受け入れません。
入院先のソーシャルワーカー、本人のケアマネージャー(姉は要支援1だった)と相談して、急激に
身体の状況が変わったので介護度を見直してもらい、手厚いケアが受けられるように!と画策の結果…

新しいケアマネさんは『在宅老人ホーム』というセットパッケージを持つ事業所の方。
巡回介護(ヘルパー)、訪問診療、訪問看護等を組み合わせて、自宅にいながらホームにいるような
サービスを受けられる、というもの…だそう。
ちなみに、23区内の限られた地域でのみ受けられるセットパッケージサービスだとか。
要は、受け入れる施設が極端に少ないから。
加えて、パンデミックの影響で病院がキャパオーバーになり、自宅へ戻すための環境整備が進んだ、
とでも言いましょうか。

で、『在宅老人ホーム』。

ふーん…
なんでもいい、「聞かない」姉の希望が叶うならお世話になろう。
これまで彼女は、自宅のお風呂で入浴を一切しませんでした。
銭湯に通っていたんです。
何でも自宅のお風呂で友達が亡くなったとかでそれだけはイヤだというのですが、まぁ家族に
言わせれば、89歳にもなって独居の時点でまぁアウトな訳で。
簡単に言うと、有事に「着衣か真っ裸か」ただそれだけの差。
とりあえず今回、自宅でまだ暮らすなら『自宅お風呂の開通及び使用』を条件にしました。
何せ4年ほど前に引っ越して以来、1度も使っておらず物置きになっていました。
退院の翌日、早速訪問看護士さんによる入浴のチャンスがあったにもかかわらず…
早速断っていました(頑固)。
姪がまず風呂場で足湯をし、むくんだ足を温かいお湯でねぎらったところ、気分が良かったようで、
その次のお風呂のチャンスにはお世話になり、内湯で入浴をしたようです。
なんて世話がやけるんだ…

動けないもどかしさと、日によってだいぶ違う体調、認知的な問題はかなり少ない…つまりかなり
「ハッキリ」しているのでだいぶ気に入らないとは思うんです。

もはや外出は難しいけど、横浜を田舎とこき下ろしあんなところに行けるかと言い放ち
(言う通り横浜は田舎ですよ笑)
体調悪い時は全然動けないからおさんどん無理なのに、施設は絶対に嫌だと自宅を好むのもわからない

仕方ない心模様は彼女にしかわからない。
いいです姉の望み通りにしてやります。
そうはいっても、姉は不服だろうと思いますが。

使い方と、使い手と

エンジンのオーバーホールを承りました(割としょっちゅうですが)。
長く1人のオーナーが使ってきた個体、オーナーは日常の足としてのんびり乗ってるので
ミッションは今回多く触らず、エンジンとデファレンシャルにフォーカスして作業します。
デフは定期的に拝見するうちに、明らかな傾向が出ていたので作業します。

スポーツ走行する訳じゃなし、再利用できると判断できるものはそのままにします。
言うまでもないことですが、再利用はしますが全部開けます。


「エンジンやってある」という触れ込みの車でありながら、エンジンろくすっぽ触ってない

駆け込んでくる車は、そういうケースが多いです…(悪徳)
脱線しました。
上は昨日の作業。
ここからが今日。

そうこうするうちに、エンジンの加工が上がりました。
麺研磨して、ボーリング・ホーニングが済みました。

見えゃあしない部分、なんですがね

オーバルメーターのリム、スイッチパネルのリムも黒で仕上がりました。

今のうちに、バルクヘッド(bulkhead:エンジンベイと車室を隔てる壁)を覆います。
着地させてからだと、微妙に高さが低いのでやりづらいのです。

アルミ板を切り出して、配線の場所を避ける切り欠きをまず拵えます。
ざっくり切ったら、槌やプライヤーで形を整えていきます。

切り口の始末をします。
棒ヤスリから始めて、番手を細かくして滑らかに仕上げます。
言うまでもないことですが、切りっぱなしでは配線の束を傷めますし何より何かあったら触るのは
自分…怪我をするのも自分です。

よし、切り欠きはこれでよし。

ネジ止めするための穴を開けておきましょう。
バリ取りも忘れずに。

次はスピードメーターケーブルを通す穴を開けます。
まずは位置出し。
ケーブルをメーターに挿し込んで、脇と下に貼ったマスキングテープに穴の位置の印をつけます。

で、アルミ板をあてがい穴の位置を決めます。

穴開けて

バリ取って

これでよし。

あとはグロメットはめて、色塗って…
区切りがいいのでココでお昼にします。