ラリーエントリー事情

日本でラリーにエントリーするのは、結構大変です。
(私がそうそう思うだけでしょうかね)

海外のラリーへのエントリーは割とシンプルです。
– 乗り手の情報
– 乗り手の使用する safety equipments の情報
– エントリー車両が何か

車の細かい仕様については、ラリーの主催者に特に申告する必要はないんです。
なぜなら車の仕様については、車両に沿うている書類に明らかだから

競技で使う車両には、英国なら Motorsport UK など各国の ASN(Autorite Sportive Nationale
: FIA によって公認された各国の自動車スポーツを統轄する団体、日本では JAF が公認を受けている)
等によって承認を受けた、車両の仕様書が付属することを求められます。
海外で使っているグレイス店主の車両…今頃アムステルダムにいる赤い子は、Competition Car Log Book の発給を受けています。

更に、あの赤い子はヒストリックカーなので、Historic Rally Vehicle Identity Form を申請、承認を
受けています。
基本は当時あったものに準じるのですが、安全面の観点からエボリューション(進化…つまり当時
なかった仕様に変更)を許されるものなど、厳しい規制の中で車を仕上げます。
その上で、指定された角度からの車両の各部位の画像を貼り付け、スペックを明らかにし、申請 / 承認
を受けます。
規制の中で許されるモディファイを施した場合などは、都度申告します。
書類の有効期限は10年、必要であれば改めて申請します。
仮に競技者の持ち主が変っても、その書類は車両について回ります。

サスペンションについて示すページ。
撮影の範囲や角度が細かく指定されます。
特定の部位の改ざんやチョンボが横行する車種は、特に細かく「そこ」が映るよう指定されます。

規定外のものは承認がおりませんから、その書類があるということは車両に間違いがないということ
の証なわけで…主催者が車のことを根掘り葉掘り聞かない(聞く必要がない)のはそういうわけ。
JAF ではそうした管理/監督をしていないので、競技会に出るたんびに申込者は主催者に提出、
一方の主催者は全部に目を通して適するかどうかを判断する、という仕事が増えます。

むしろ細かく聞かれるのは、Safety Equipments の種類や有効期限。
この領域は技術の進化著しく、使用期限が厳しく決まっています。
バケットシート、シートベルト、ヘルメット、FHR(hans など)、レーススーツ、消化器の
製造メーカー、モデル、使用期限などを、エントリーの際に事細かに申告する必要があります。
(これらはもちろん、車検で現物を確認されます。)

ずいぶん考え方が違う…というか、日本のそれは合理的でない。
モータースポーツ後進国だから仕方ないのかな。

さぁ、入れ替えてどんどん

登録に向けて秒読み、書類が揃うのを待っている Mk1 Cooper’S’ 。
アライメントの調整も済ませました。

Surf Blue も移動、そこへ Mk1 850 が入場、足廻りとミッションを作業します。
ハイドロラスティックサスペンションからラバーコーンへ。
オーナーはオリジナルに後ろ髪を引かれつつも、賞味期限をとうに過ぎた足回りでは機能や安全は
得られないので…今回入庫の運びとなりました。

エンジンを下ろして、本日は終了です。

内装に取りかかります

Surf Blue の 1071’S’ 内装に取り掛かります。
ドアのキックプレートやら

チェックストラップやら

トアトリムも

お、スライドウィンドも保管庫から出しました。

2台の Cooper’S’

奥の赤い Cooper’S’ は、陸運局に書類を出しました。

手前は 1071’S’ なのですが、エンジンは火入れの手前まで進めてあります。
ガラスが入ると、ぐっと車らしくなります。

いつか、また

5〜6年前に、グレイスで仕上げたミニを下りた方から連絡が。
グレイスで仕上げた…んですが、車両は持ち込み(およそでそもそも仕上げた個体)でした。
調子よく乗ってもらっていたのですが、日本に居ないことも増えて車を楽しむ余裕がなくなり
手放した、そんな経緯でした。
車はこちらで次の乗り手を探し、バトンリレーをお手伝いしました。


身の回りの整理をしておいでとかで、手元にあったミニの部品をお持ち込み下さいました。
懐かしい話や、お互いのその後〜現在の話、世の中のことなど…楽しいひとときを過ごしました。
車を下りた時よりも、心なしかお元気な印象を受けました。
時間をおいて再びお訪ね下さったことが嬉しく、その方も私が「続けている」ことを喜んで下さって
いるように感じました。
励ましの言葉を頂戴し、その方は帰っていきました。

女房殿や娘ら皆で見送った後、空を見上げると夏のような雲。

今日は汗ばむような陽気でした。
どんどん時間は過ぎていく。
毎日毎日、まぁいろんなことが起きますが…大切に生きよう。

いつかまた、ご縁があったらいいなぁ。

どんどん進めます

週末、キレイになったエンジンベイにエンジンだけ収めて帰宅。
週が明けて火曜、一気に組んでいきます。

これは昼すぎ。

新車のシートを覆うビニール

新車のシートを覆うビニール、あれはオーナーの手元に届くまでに携わった人が汚さないように、
という配慮で被っているもの。

でも、昔はよく、ビニールの覆いをそのままで使ってる人、いませんでしたか?
「汚れるから」とか言って外さない人。
「新車の証しだ」とか変なこと言う人も。
静電気がかえってホコリを呼んだり、滑って運転しづらかったり、いいことひとつもない。

あれって、コレと同じくらいおかしいですよね…
新品だからって、タグとかサイズ表示のシールはいつまでも貼っときませんよね。

***
本日のたけのこ。
若竹煮と土佐煮が食卓にのぼりました。
煮汁を使って、里芋の煮っころがしも。

強そうでしょ

終わったー!
これで、登録に向けて書類作れます。

この足下、いかがですか?
強そう…黒がピリっと締まります。

せっかくだから

ボディのリフレッシュも済み、組み上がったエンジンを積みます。
エンジンベイが汚いまま積むなんて、ありえません。
さぁ…どうしてくれよう汚いな…
海近に生息する車の悩みは…塩害。

暗くなる頃には(だいぶ陽が伸びましたね)、だいぶキレイになりました。
これなら、積む気になれそうです。