2014年9月11日 木曜日 現地時間21時14分30秒。
場所は英国属領マン島 首都ダグラスのプロムナード。
日中には馬車軌道も走る、海岸線の目抜き通り。
そこを閉鎖して行われる2台並走の特設、いわゆるここは
「スーパースペシャルステージ」
ゼッケン 91 こと私、店主の Cooper ‘S’ は、左レーンからのスタート。
スタートから約150mで左90(90°のコーナー)→Aターン(鋭角コーナー)して
向きを変え、プロムナードをフェリーの船着き場へ疾走する…筈でした。
ところが。
初盤も初盤、Aターンでまさかのフェンスに激突。
これは、スペクテイターの方が提供して下さった映像を切り取ったものです。
crash_91a.jpg
crash_91b,jpg.jpg
わずか100m足らずでブログで紹介したとおり、Leg1 リタイヤを余儀なくされました。
訳が解らず、そしてあまりにも唐突で。
気持ち的にはまだ始まってもいない、そんな感覚のうちに、1年かけて準備してきた今年のラリーは
終わった、そうも思いました。
幸い、島のミニスペシャリスト(またしてもお世話に…)の助けもあって1時間半で修復。
晩のうちに車検委員の再車検も済ませ、スーパーラリールールの適用を受けて
リスタートできることになりました。
細かくステージ毎に追ってご覧になった方にはお解りになりましょうが、その後もトラブルは相次ぎ…
何度も集中力を削がれるような局面にさすがに心も折れかけましたが、どうにかこうにか周りの助けあって
最終ステージ “Classic” まで走ることができました。
後に状況と証拠を分析すれば、初めて選んだ足廻りの部品が競技使用にはそぐわない品質だった、
という結論。
3年使ったので念の為交換していったのですが、それが仇になった形です。
何よりもう1台(幸いその車にこの部品はついていませんでしたが)ではなくてよかった、
心の底からそう思いました。
今年、もう1台のクルーは完全完走を目指して準備をしてきていましたから。
続けて見舞われたトラブルも、すべてこちらで受けて露払いをしたと思えば腹も立たないというものです。
それとこれが起きたのがここでよかった、ということ。
このステージはSS1。
短いサービスを挟んで残す3本は、山の上2本に続いて有名な3連ジャンプのあるハイスピードステージ。
うっかり先へ進んでいたら、どこのステージでもこんなことではすまなかったでしょう。
どこの商品、とかをここで示すことはしません。
もちろん、製造/販売元へのレポートの準備はしていますが。
ただ言えることは、我々はこれからもっともっと精査して、慎重に選ばねばならないということ。
長いラリーの経験を振り返っても起こり得なかったことが、いとも容易く起こってしまったのは事実です。
新車の生産終了から時間が経てば、部品の質が落ちてくるのは、ごく一般的な話。
私たちのラリーは、車両の開発が大きな目的の1つです。
私たちの基準に叶うものが見当たらなければ、ボディ同様 時に自分のところで作る必要も出てくるかも
しれません。
更に研究して、我々の基準を上げていくことが、安全につながります。
競技のフィールドで得たデータは、グレイスでお世話する全ての車に生のデータとして反映していきます。
これがあってこそ、グレイスの車は保っているんです。
ラリーの初っ端に出鼻をくじかれて、改めて兜の緒を締める…そんな決意をした私でした。
何事も選択なんです。
人生だって同じ。

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