人生って不思議だ

ここ数日、久々に日本に戻ってくる人を、店 / 拙宅 にお迎えしてました。
ミッションを終えて思ったことあれこれ

 - ずいぶん時間が経ったなぁ(少年が青年になっていました)
 - 空白の時間は一瞬で埋まるね
 - どう生きようが勝手だけど、人との交わりで人生は豊かになるよ
 - 仲間はいいなぁ
 - こういうアテンド、やっぱキライじゃないかも
 - グレイスが人と人とのご縁をつなぐハブになってるね

『ご縁をつなぐ』これはグレイスの「隠れテーマ」でもあるんです。
車と人を結ぶ
人と人を結ぶ
過去と今とを結ぶ
こんな想いを込めて、グレイスの30周年を記念して作った手拭いには結び文紋を選びました。

これはセミオーダーの手拭いでして、丸の中には家紋を入れて左半分には古典柄を…という
テンプレート。
家紋ではなく、当時10歳だった娘が描いたミニの絵をはめ込みました。
左半分の古典柄、いろいろ悩んだのですが様々縁を結ぶ我々でありたいという気持ちで結び文紋。
色はミニの色を持ってきてもよかったのですが、シンプルに『赤』。
お祝いの意味もある、魔除けの意味もある赤にしました。

ちゃんとご縁をつないでるじゃないの!
役に立ってる!


サプライズにご協力いただいた方々から、メッセージをもらいました。
実に言い得て妙、だったある方のひとこと

人生って不思議だなぁと思う1日でした。

Manx Rally 2024 ふりかえり番外編① 後発組の上陸作戦

島へ空路入るケース(人呼んで後発組)は大抵、タイトスケジュールでも
ラリー見たい!
島に行きたい!
そういう人たちです。
ですから熱意がまたちょっと違います笑
今回の後発組は3人( 50代・60代・70代 の絶妙な取り合わせ )。
クルーが Recce(試走)をしている日、昼下がりに現地入りする予定。
娘と孫はその日、Port Erin 我らが泊まる小さな町の駅前を少し散策して、往路の疲れを和らげる
のんびりスケジュール。
後発組がチェックインしたら合流して、グランドスタンドに来る手筈になっていました。

Recce 真っ最中、娘からメッセージが入りました。
「何の連絡もないどうしたんだろ…」

実は彼らの搭乗したプロペラ機は、島の南部を覆った深い霧?厚い雲?のおかげで、上空を旋回して
再度試みるも着陸できず…そうするうちに燃料がなくなってきちゃったので、給油の為にリバプール
空港へ着陸していたんです。
連絡できないわけですずっと端末はフライトモードですから…

給油を済ませ、次は無事着陸〜時間は 4:10pm(日本時間 1:10am)。
こうしてようやく後発組は、25時間かけて遠い遠いマン島に上陸を果たしました。

みなさんヘトヘト。
でも、お気付きの方もいらっしゃるでしょうか…ラリーは明日からです笑

今日の「ひとこと」2人分

① キャブレータ交換 Mk3(日帰り)

凄い車だ…
ヤバイ…

車の素性がいかに良いかが、よ〜くわかるひとことです。

②ラバーコーンコンヴァージョン+ミッション O/H(入院)

えっと、オレは何を依頼したんだっけ?
エンジン頼んだか?

チューニングってエンジンをいじることだけじゃない、というのがよ〜くわかるひとことです。

***今日は来客も少なく、ガレージは静かでした。
時折、だいぶ上手くなった鶯がさえずるのが聞こえました。

いつか、また

5〜6年前に、グレイスで仕上げたミニを下りた方から連絡が。
グレイスで仕上げた…んですが、車両は持ち込み(およそでそもそも仕上げた個体)でした。
調子よく乗ってもらっていたのですが、日本に居ないことも増えて車を楽しむ余裕がなくなり
手放した、そんな経緯でした。
車はこちらで次の乗り手を探し、バトンリレーをお手伝いしました。


身の回りの整理をしておいでとかで、手元にあったミニの部品をお持ち込み下さいました。
懐かしい話や、お互いのその後〜現在の話、世の中のことなど…楽しいひとときを過ごしました。
車を下りた時よりも、心なしかお元気な印象を受けました。
時間をおいて再びお訪ね下さったことが嬉しく、その方も私が「続けている」ことを喜んで下さって
いるように感じました。
励ましの言葉を頂戴し、その方は帰っていきました。

女房殿や娘ら皆で見送った後、空を見上げると夏のような雲。

今日は汗ばむような陽気でした。
どんどん時間は過ぎていく。
毎日毎日、まぁいろんなことが起きますが…大切に生きよう。

いつかまた、ご縁があったらいいなぁ。

コツコツ…諦めずに

先日ボディワークから戻った、全塗装したミニ。
オーナーが、この時のためにコツコツ集めた内装の部品とかがあるから…そこまでお願いしたい、
とのことで今朝、持ち込まれました あれこれ。

まーそれにしてもおっそろしく集めたこと。
送り状の日付を見ても、購入時期はまちまちで 2021年なんてのもあります。

本人曰く、諸般の事情で一度は諦めかけたといいますから…
これだけの量、物置的なところにしまってあったにせよ、何れにしても邪魔だったろうに。
今回めでたくさばけて、奥様はさぞホっと(せいせい)していることでしょう。

ナニナニ…何をどれだけ買ったの。
心配(笑)なものから包みを解いていきます。

あ…リヤクォーターも買ったのね…(オーナーの車は高年式のためオリジナルはめ殺しです)
ココは支障ないだろうと思って、部品が持ち込まれる前にガラス入れちゃっよ笑

ホイール、タイヤ…いくら小さめ( 13インチ)とはいえ、生活を圧迫するかさです。

ドアの内張り中古品が2セット(年式あってないよ)
中古シートひと揃え
カーペットトリム2種
オーディオにッスピーカーつきパーセルシェルフ
アームレストとか

さ、夢をいっぱい詰め込みんであげよう。

来し方、行く末

MG TD の車検を承りました。
前回の車検(2年前)を迎える前、オーナーは病気が発覚しこのまま乗り続けられるかどうか…
と悩んでいました。
(彼はこの事件?について「1回死んだ」と表現します)

あれから2年。
こうして元気に動いています。
車も、オーナーも。

寄る年波か、幌を立てるのが一筋縄ではいかなくなったり、車との生活にも変化を感じるようです。

「心配なら、ココへ来てやればいいんだよね。」

そう言ってくれるのは、嬉しいことです。
自分と一緒に年をとったお客様と、来し方を振り返りながら、車とオーナーの行く末に携わる。
大袈裟なような、カッコつけてるような。
でも本心。

自分にも言えることですが、カッコよく年は取りたいものです。

***
スピードメーターのカリブレーション(測定機器の測定能力を標準に合わせること)をしています。
タイヤが X 回転した時に出る数値、とかタイヤが1回転した時の距離、など幾つかの数値で、正確に
測れるようにします。

グレイスのチャームポイント

エンジン O/H 中のオーナー
エンジン O/H を予定しているオーナー

みぞれでも混じりそうなこの寒い旗日午前中に、お客様が2人 みえました。

目の前で整備や組み立てがほぼ全て見られることに、驚きと安心感を覚えるそうです。
よそのことは存じませんが、グレイスは自分のところでできない加工(主に手持ちの機械でカバー
できない大きさのもの)を除いて、目の前で存分にご覧頂けます。

グレイスのチャームポイントだと思っています。
作業スペースを通らないとミーティングスペースに行かれないのも、わざとそうしているんです。
気をつけないとお召し物が汚れますが、現場第一?というか我々が手を動かしている場所がグレイスに
とって一番大切な場所だからです。
そしてオーナーの方やこれから古い車に乗ろうと思っている方には、少しでもいいから作業を見て
頂きたいんです。

使い捨てのものが溢れる世の中にあって、ミニに代表される古い車は人の手が作っていた時代の
工業製品です。
しかも直して使うことが常識だった時代の設計なので、部品さえ入手できれば直して使い続けることが
できます。
(スペックや、何がくっついてるか…その辺りはオーナーが正直気にするところではありません)
プロである我々がオーナーの使い方や好みを聞いた上で、車の素性を最大限に引き出すべく組み
合わせを選び、1台1台手をかけます。
お任せいただけると、乗りやすく希望に沿うものが出来上がります。
ギヤの選択やキャブレータ、エキゾーストを選ぶにあたって変なこだわりにとらわれてしまうと、
かえってちぐはぐで乗りづらい車が出来上がります。
あまりにも車の利益にならないことは、我々が進言します。

見方によっては、産業遺産ともいえますよね。
日本の考え方は、静態保存。
道具ですから使えてナンボ、動いてナンボ。
どうせ動くなら、道具ですから役に立つように。

レッカー呼んでも…

とあるお客様がとある朝、深夜バスで帰ってきたお嬢さんを迎えに横浜駅へ行った時のこと。
足廻りの部品に不具合が出て、走れなくもないけど結構な音…
レッカーで入庫しますと連絡がありました。

お気の毒なことに、お嬢さんは父上と電車で帰ることになったのですが。

登場したレッカー屋さんのお兄さん。
なんでもミニ好きらしく…

朝からぶっ壊れて積んでる最中に
「写真撮っていいですか…めっちゃ気分上がるー」
とか言って盛り上がってました。
レッカー時さえも至福の時にしてしまういい車です。
(以上原文ママ)


ややあって、レッカーで入庫。
案の定、お兄さんなかなか帰りませんでした笑

お は ぎ

美しい五色のおはぎを頂きました。

左から こしあん、粒あん、ずんだ、ゴマ、きなこ
昨日作ったばっかですが(餡から作ったので私にしては手間をかけました笑)、ホイッと目の前に
出てきてあれこれ頂けるこの幸せよ!
おーいしー ❤︎

お客様の奥様のご実家の和菓子屋さんのもの。
奥様はお店の手伝い(販売)に出ているのですが、なんと!
跡目のなかった店には現在、長男さんが入ったんですって!
和菓子屋さんは無くしちゃいけない。
外国人はこの文化をとても興味深く、感嘆をもって受けとめます。
主菓子なんか

「オイこれ食べちゃうのか」

手のひらに乗るアートですよね。
私は、和菓子には日本の文化の『省略の美学』が凝縮されてると思ってます。

継がれていく…すごくいい話を聞きました。

***
Mk3 Cooper’S’ エンジンが組み上がって。
ロッカーカバーは Rover Mini の時代のものが使われていたので、せっかくですから手持ちのものを
使うことにします。
耐水ペーパーで研ぎ出して…

この後、エンジンと共色の黒を噴きます。
(グレイスは刷毛では塗りません)
噴けば、1ミクロン こういう単位の塗膜がその個体を守ります。
厚く塗ればいいかといえば、そんな訳もなく。
例えばボディなら、面積を考えると薄く塗るのと厚く塗るの、どっちがいいか歴然です。

え、ひょっとして待ってた?

私のお気に入り、ノーチラス号がついにお輿入れ。
色合いなどとっても気に入っていただけたので、文句なしです笑

車検が切れているので、整備して検査を取って新しいオーナーの名義にします。

希望ナンバーを申し込む方も少なくないのですが、その必要はないとおっしゃいます。
聞けば、なんと『19-67』は、生まれ年なんだとか! 
驚いたのなんの。

43-43 とかゾロ目だったり、結構引きが強い方で。
ナンバー付けたら、オーナーのお家にある車と同じナンバーがついちゃったり
ナンバー付けたら、オーナーのお家にある車と連番になっちゃったり

今回のはちょっとスケールが…何年も前に「引き当ててた」なんて。