自走しないのは…初めて。

街に戴冠式の余韻がまだまだ残る中、島に向けて出発します。

今回は1台ということもあり、Paul のトレーラーで連れて行ってもらいます。

新緑のまぶしい街道を、船着き場のあるリバプールへ。
いつもは9月なので、草木の勢いが違います。
上へ上へと伸びる力を感じます。

世界遺産に登録されたリバプール。
毎度横目で眺めてきたデカい廃墟ビルも、手入れをしていました。
聞けば、夫が自分で運転して入らないことはなかったそうで。

あぁ、久しぶりの Albert Dock に到着です。
安定の English Weather フェリーは揺れるでしょうか。

さぁ、乗り込みますよ…

船内で流れる Safety Video が、一新!
古いの、娘と私は好きだったんですけど…これを聞くと「あーついに来たか」って気持ちになってた。
えーい、名残惜しいから貼り付けとこ。

沖に出たらそれなりに揺れました、
天気もだいぶ悪い中でしたが無事、島へ到着。
そして定宿へ到着。

いつもの風景、いつもの静けさ。
あぁ、戻ってきました。

Covid のあと

Southport に向かいます。
Covid を経て、変わったものと変わらないもの。
Covid が作用しているもの、いないもの。
時間は粛々と流れています。
誰の上にも。

Covid が作用
1 Paul 邸のキッチンリニューアル(IKEA)
施工はロックダウン中に Paul が。
奥さんが掃除しやすいように、直線的なデザインのものを選んだようです…
1800年代の建物なので、壁がデコボコで施工は難儀したそうです。

2 Paul 邸のダイニング?兼 書斎リニューアル(IKEA)

3 “A-Team Van” が生まれ変わっていた
“A-Team Van”とは、マン島ラリーで散々お世話になってきた、すんごいカラーリングのVW のバン。
(参考画像)

Paul が都度、友人から借りてくれていたものですが、この度譲り受けたとかで…
コレは残ってた笑

なーんと!

キャンピングカー的な仕様にモディファイされていました!
サーキットにはこれでトレーラーを引いていくんだそうです。
(タウンエースキャンパー計画を立てていた夫としては、先を越されたとほぞを噛んでいました笑

4 Tesco のオリジナル衣料品ブランド F&F フロア拡大
どこの大型スーパーマーケットでも同じことが言えるようですが、出かける機会を減らして、
そこへ行けば全てが揃うように衣料品の売り場が拡大してました。
商店街は軒並み閉店…どこの国でも起きていることは一緒ですね。

Covid が作用していないもの

1 たぶんあれは菜の花畑
バイオ燃料の原料なんでしょうか、菜の花っぽい黄色の絨毯がすごいスケールで広がっていました。

2 羊、減ったなぁ。
いなくはないのですが、一段と減った印象です。(画像なし)

3 物価が約2倍
これは時間が取れて取材ができたら、改めて紹介します。

半分内輪ネタですが、時間の過ごし方や人々の生活は確実に変化していました。
次の投稿では、リバプールへ向かっていよいよ島へ上陸するまでを記します。

地図

定休日。
すべりこみで国際免許を取りに、二俣川の試験場へ。
まず、駐車場に入れない…
仕方ない駅の方まで流れ着いて、駐車したら敷地内に『スピード証明写真』のボックスが。
なんだか何もかも見透かされているようでムカつきましたが、写真も撮る必要があったのでしれっと
証明写真を撮り、5〜6分歩いて試験場へ。

『更新』 す、すごい行列…
女房殿は帰国したら更新なのですが、軽微な違反がかさみ今回は警察署で済ませることができません。
おそれおののいていました。
今ドキ、もう少しどうにかならないもんなの?

***
1週間後に都英を控え、2台で移動するので万一はぐれても目的地まで困らないように、ルートを
共有しておきます。
広域地図はこういうとき便利ですよね。
ひとつところに保管してあったので、まとめて引きずり出してきて女房殿と見ました。
右のボロボロのは、1989年に現地で買い求めたもの。

私の初ラリー(マン島)
私の初渡英
私の初海外 の時のものです。

その後の私の英サプライヤー開拓の、どれだけ助けになったかしれません。

イギリスの道はアルファベットと数字で合理的に区分されているので、法則さえ理解できれば、
広域の地図を見ながら目的地近くまで容易にたどり着くことができます。
ついこの間まで、日本でも膝に広げた地図を頼りにどこまでも出かけたものです。
それが端末の発達で、劇的に便利にはなったけれど人の能力は猛烈に落ちました。

人は、工夫 をどこかに置いてきてしまったようです。
古い地図(といってもそこまで古くない)を眺めながら、そんなことを考えていました。

渡航まであと6日。

もう無理なんだよ

今朝、娘が。

昨日の晩からやたらに SNS にブリーンばっかり上がってると思ったら…

眠くて読んでなかったらしいんですが、ラリードライバーの Craig Breen の画像がやたらに
出てきてたんだそうです。
そしたら…

ラリークロアチア前のテスト中に、事故で亡くなったっていうんです。
我々も出場した、2016年の Rally Isle of Man に Citroen で出てました。
(あっという間に油圧トラブルでリタイヤしていましたが)
まだまだって選手だったのに。

プロだから、全力投球しなきゃいけないけど、若いうちに死ぬのはナシだ…

***
一昨年、Rally Japan が中止になった代わりに開催された “Central Rally”(JAF公認のノンタイトル
ラリーでした)で見かけたラリー車を見て、危うさを感じていました。
その車両は、昨年から WRC で走っているハイブリッド車で、我々は走ってたのでよくよくは見て
ませんが、デモランの後ドライアイスで冷やしまくっていたそうです。
もっと言うと、あんまり近くで見せてくれなかったらしいです笑
あの車を見た時から、ずっとイヤな予感がしていました。
1980年代の Group B の再来を予感させる雰囲気でした。
そしてどうやら、私の勘は当たっていたようです。

人が車という道具を使ってスポーツをしていた時代はもう終わったんですね。
マシンの性能、タイヤの性能が先行してマシンがそれら頼みになり、人の技がどこかへ置き去りに。
人だからミスもある、でも。
人がやってナンボなのに、テクノロジーを勘違いしている。

今のじゃ、もう無理なんだよ。
彼の魂が、無駄にならないようにちゃんとした議論がなされて、もっと安全にモータースポーツが
栄えていきますように…

山吹を見ると毎年思い出す

桜はとうに葉桜となり、店の前は山吹が満開です。
山吹の花を見ると毎年思い出す、『太田道灌』の話

太田道灌といえば、江戸城を築城した武将であるということと、山吹の花の話が有名。
江戸城といっても、あの江戸城の前身の江戸城。
現在の東御苑付近に位置していたそうです。

それと、山吹の花の話。
以前記事にしましたが、一昨年の晩秋にブログがすっ飛んだので消えちゃいましたので改めて。

太田道灌が供を連れて狩りに出かけたところ、道中で雨に降られます。
蓑(みの:すげ等で編んだいわゆる合羽)を借りて欲しいと農家に立ち寄ると、その家の娘は黙って山吹の枝を差し出すのみ。
ずぶ濡れで戻った道灌が、年配の家老にこの話をしたところ…

七重八重花は咲けども山吹の実の一つだに無きぞ悲しき

実の / 蓑 をかけていて、つまり…
貧しくて蓑すらないことを山吹の枝を差し出すことで伝えようとした…
道灌は己の無知を恥じて、以降学問にも精進したと言われます。
いくつになっても、どのような立場になっても、学びを怠らず謙虚でありたいと、山吹を見ると
毎年思います。

***
さてガレージの中は、というとMGだらけになっています。
車検で入庫中のMGB、点検中のMG Midget、向こうにはちょいと長逗留のMG TD。

そうだ、お墓行こうファイナル

平日ですがお休みをいただいて、石川県へ墓仕舞いに行ってきました。
あちらの墓を仕舞って、引っ越し(改葬)をするためです。
今回は都合で早朝発の日帰り、とんぼがえりでした。

代々先祖が祀られてきた本家の墓を、自分の代で自分の拠点に移す。
今は縁者が誰もいないお墓しかない土地へ、片道600km 走っていくのはいささかナンセンスです。
自分の後のことを思って、最良と思って、いろんなご縁に恵まれながらグイグイ改葬の支度をしてきました。
どうしても墓石ごと引っ越ししたかったので、ハードルは一気に上がりました。
何故墓石にこだわったか…実は墓石に掘られた字が、達筆だった父の筆によるものだから。
ナンチャラ霊園的なところは墓石を『買わないと』改葬させてもらえないんです。
でもいくつもの奇跡が、氣谷家の改葬を実現へ導いてくれました。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、お金がとってもかかる上に思うような改葬にならないかも…
一度は暗礁に乗り上げかけた、そんな状態だったので話がトントン進んで安堵していたのですが、
いざ仕舞うその段になって、果たしてこれで良かったのか一瞬考えてしまいました。
娘や息子に墓仕舞いを済ませたことを報告すると、

「ありがとうございました」

2人ともそう言いました。
それだけで、もう十分と思うのは私だけでしょうか。
家を、家族を思う人に育って、心から嬉しく思いました。
改葬を決断して良かった、そう思っています。
身近にあればいつでもお参りできます。
自分らのルーツを、より近くに感じられます。
やっぱり決断してよかった。

***
とんぼがえりにつき、食事も高速の SA で済ませます。
あれは中学生かな…集団競技でしょう揃いのジャージを着て、バスで遠征に向かう…おそらく
そんなところでしょう。
SA のフードコート、食券の券売機が2つ。
2つ共に学生がズラ〜と並んでて、一向に列が進まない。
我々の頃なら、そんなことしてたらぶっ飛ばされたでしょう。
今ドキの引率の先生は、きっとそんなこと注意しないんでしょうね…
1台は一般の利用者に空けておく、昔なら常識だけど。

女房殿も、いくつもない ATM をずっと占拠してる人によく出くわすそうです。
彼女は、用件いっぱいの時、途中で切り上げて最後尾へ並び直すんだとか。
昔なら常識だけど、今はそんなことする人 少ないのかな。

***
帰り道、新東名の島田金谷IC の手前にある、大井川に掛かる橋。
お客様の競技車のエンジン慣らしに来た時のこと。
森掛川で Uターン、戻る間に不具合が。
電話で息子にトラックで向かってくれるよう要請し、路肩に止めて救援を待っていると…
道路公団?の車が、止まってくれました。
救援要請済みであることを伝えると、無理に引っ張ってどこか最寄りの IC まで引っ張る必要もないと
現場で判断され、すると作業員さんはその反射板のドッサリついた防寒着を貸してくれました。

「この袋に入れて、橋の欄干に縛り付けておいてください次の巡回で回収しますので。」

カギつきのワイヤーロックと一緒に袋を渡され、防寒着はそこへ入れて橋の欄干に結わいつけて
おけばいいと言います…
その日はとても寒くて。
まさか車から降りるとは思っていないので、軽装でした。
こんな話あるんだありがたい。
するとその作業員さん、ラリーストで。
全日本に出ている私のことをご存知でした(彼は地方選に出たりしてるらしい)。
世界狭すぎ、いつどこで誰が見ているかわかりません…

現場に差し掛かり、そんな出来事を思い出し女房殿に話しました。

***
夕方、ようやく富士宮付近まで戻ってくると、まだ雪を被った富士山が美しい姿を見せてくれました。

さんざん綴ってきた『そうだ、お墓行こう」シリーズ
石川県の先祖代々のお墓に行くことはもう…ありません。

おむつケーキ

ピンときましたか?
出産祝のド定番なんですって。
こんな感じ…

紙おむつが段々のケーキみたいに成形されてデコレーションされてる。
おむつケーキ、今出産とかしてる世代には定番。
私今年50歳、自分の出産は15年以上前ですから、まーったく知りませんでした笑。
究極の消えモノ(消耗品)ギフト。
すごくいいなぁと思って。
すぐ着られなくなるお洋服も言ってみれば消耗品ですが、好みが相当に分かれますもんね。

12か月点検

先日、レストアから20年めの『12か月点検』を承りました。
日帰りのつもりが1泊になってしまったのには、理由がありました。車検は2年に1度です。
今回はまぁ、見送っても大丈夫かなぁ…という微妙なタイミングの交換があったとして、

とはいえ20年戦士ですから次の2年後までは持たなくて…そういう箇所が重なって。
しみじみ「点検って大事よね…」と、オーナーさんと話した春浅い日の午後でした。

さぁ、先に行ってておくれ。

朝イチで保税倉庫へ競技車他、預けに行きました。
これは昨夕、自宅で撮ったものです。

既に提出した資料に基づいて税関手続きをしてもらい、バン詰め(コンテナに荷物を詰める作業)、
寄港しながらどんぶらこ、次に会うのは現地パートナー Paul のガレージです。

参考までにこれは2016年6月。

送り出したミニは4台、マン島には実に22台のミニが集まりました。
(この時ね、圧巻でした)

この2年後、このイベントのオーガナイザーがずっこけてイベントが開催できなくなり、見切りで
海運してる我々の競技車はあわれ上陸もせず(英税関を通らず)何もしないで戻ってきたり、
更にその2年後には、感染症による世界規模のパニックが起こり経済も交流も停滞したり、
その最中でいろんな人の人生が思わぬ方向へ向かったり。

4台保税に収まった写真を撮ったあの瞬間に、誰が想像できたでしょう。
つまり、どの瞬間も『分岐点』。
あのとき同じ場所にいても、あっという間にあっちとこっち。
でも…だからかな、人生は面白い。

そして今、#9741 は再始動。
誕生と臨終、どちらが近いと言われればどう逆立ちしても臨終。
限られた時間のうち、パンデミックに3年持って行かれたのは、かえすがえすも恨めしい。
でもそれは誰の上にも等しく起きたこと。

#9741 とグレイス店主は、再始動します。

『悪質』つづき

もうどこで線引きをしていいかわかりませんが、安全を念頭に車検整備。
前回までのお話は こちら 。

ブレーキオイルが猛烈に汚いからどうしたことかと思ったら…
ブリーダーが壊れてるから交換してないし〜
え何で直さないわけ笑

「リヤの熱線効かないんです」オーナーが困ってるから見たら…
塗り直した時かね?ガラス外した時に配線繋いでない(トリムの奥の方に丸めてあった笑)
配線をウィンドのゴムに挟んでさもそれっぽく見えてただけ笑
配線自体はフツーに生きてたので、繋いでホイおしまい。

何なのコレ。
悪質だね。