先に行っててね

5月の Manx Rally に向け、競技車を送り出します。
年々タイミングが早くなっています。

– スエズ運河が国際情勢+老朽化で利用に適さないため喜望峰まわりの航路となる
– 日本がショボすぎて、ヨーロッパへの便は大陸でまずトランジットが必要

本日、大黒埠頭の保税倉庫へ搬入してきました。

店主は自分のマシンを、私はトラックでもう1台の白い Mk1 を運びます。
日中は暖かいという予報ですが、朝はさすがにガラスが凍ってました…

明日からお天気崩れる(雪?)らしい…今日でよかった。
凍結防止剤散布の後に回送したら、港で洗い流してから預けるってわけにいかないし。

倉庫の中はがらっがら。
担当の方に車の扱い等、申し送りをして託してきました。

先に行っててね。

到着予定は4月中旬、でも先日の海運あるあるみたいなこともあるし早いに越したことはありません。
(例のハプニングに見舞われた日本人チームは、購入した車で無事スタートし順調に競技を続けています。)

帰りのトラックの中で、数時間前にオーガナイザーから公表されたステージマップをチェック。
今年は島の東側のステージがある、それも何回も使うんだな…
新しいステージもあるね

うーん…多分エントラントとしては一番遠くから行く我々が動き出したタイミングで、奇しくも現地でも動きが…
フライトととりあえず宿は取ったけど、いろいろまたせわしくなり始めます。

イベントは5月8日(金)9日(土)です。

いやぁ…いろいろある

日曜、業務を終えて帰宅すると女房殿が

「緊急の電話が入ったんだよ…」

折り返すと…
知り合いがお手伝いしている人が Monte Carlo Historique にエントリーしたそうで。
車両を海運したけど、船便が遅れに遅れ(うえぇ…どっかで聞いたような…思い出したくもない回想はこちら)受け取れるのがイベント終了日ってことが発覚…
現在は UK にいて、これから出られる車を探して出場に漕ぎ着けたい。
誰か知らないか?良い知恵はないだろうか?
スタートは… 1週間後。
車検はオーガナイザーに相談して、スタート日午後ギリでいいという話を取り付けてある模様。

えらいこっちゃ…
UK の巨匠(Norfolk 在住、ステージラリーもロードラリーも、ドライバーもコドライバーもこなす大ベテラン、ステージラリーは数年前に引退)に連絡、良い知恵はないかを問い合わせ…
程なくして返信をくれ、Arrive & Drive というサービスがあると教えてくれました。
それを転送、震源地(当事者の方々)では SNS のコミュニティー上で、過去にずっと Monte Historique に参戦していた車両の売却のに辿り着き…

1980年代の車両を、ノルウェーの人から購入できることになったそうで、明日にもノルウェーはオスロに向かって DNS(Do Not Start)は回避できるみたいです。
奇しくもそんなピンチのお相伴?に預かった我々としてもホッとひと息…あーよかったぁ。

でもフィニッシュしたら、
– 日本から送った車を黙って送り返す
– 購入した車をどうするのか
を手続きしてからの帰国、というモヤモヤする案件がきっと待っている…

いやぁ…いろいろある。

ちなみに私は、パンデミックに因るものも含めると3回イベントのキャンセルを喰らっていて、UK に入らず CUSTOM(税関)のお世話にならずに踵(きびす)を返して帰国の手続きをした経験があります。

いろいろあります笑

でも、考えようによっては…
難が無いのは 無難な人生
難が有るのは 有難い人生
どこかのお寺の掲示板で見ました。

さて、今年の Manx Rally参戦車両 船積みも、ドえらく早いスケジュールになりそうです…
(いかに日本が世界から相手にされてないかがよくわかります残念)

フックの正しい使い方

本日は娘の Mini を拝借、汗をかきかき他出しました。
近くへ行ったので、みんな大好き『文明堂』の工場売店へ行き、

かすてら巻 切り落とし
かすてら 切り落とし
どらやき B級品

よくよく考えると、おんなじようなものをひと通り購入。
帰り道にはグレイスで手がける全ての Mini の競技車に必ずついている『フック』に、買い物袋を引っ掛けて店へ戻りました。

位置が個体によって微妙に違ったりしますが、このフック正しい使い方は…

三河湾ラリー2025 セレモニアルスタートのゲート下でスタートを待っているところです。
(ちなみに映り込んでる白いシャツの方は、現在の日本のラリー界を束めている超重鎮)

じゃなくて。
正しい使い方?は、ヘルメットのホルダーなのです。

ミニの小ささは、それ自体が強大な(小さいけど)戦闘力です。
その代償といいますか、余白がないので収納がとにかく厳しい!
殊、ヘルメットは畳むこともできず近年では hans(頭部と首を保護する装置)も加わり、とにかく場所がないんです。

その昔、ロールケージ(車両が横転などした折に乗員を守るべく、室内に組まれるパイプのフレーム)は比較的簡素だったので、リヤの空間に「ヘルメットハンモック」なるものを引っ掛けて収納(ハンモックに預ける、そんな感じ)していました。
時代が進むにつれ安全装備の規定がより厳しくなり、近年ではダイアゴナル(斜めに渡すバー)の装着が当たり前になり、ハンモックは使えなくなりました。
そこで苦肉の策というか、消去法でココしかないというか…コドライバーの眼前に2人分ぶら下がることになりました。

SS を走り終えると、タイムカードへの記録の為に Stop Control で停止しなければなりません。
記録を終えると移動区間=ロードセクション(一般道)に入るわけですが、多くのクルーがロードセクションに入ってまもなく、ヘルメットを脱ぐために道端へ車を止めます。
トランクにヘルメットを収納しているクルーは、車から降りてトランクへ2人分収納、のち走り出して次のポイントを目指します。

うちのドライバー(グレイス店主のことですが)は基本、止まりません。
ステージで酷使したブレーキやエンジンを、走りながらなるべく穏やかに冷やしたいという考えからです。
むやみに停止すると急激に圧が上がったり更に熱を持ったりするので、少しでもいい状態で最後まで残るために我々は 安全装備を解くために止まりません。
フィニッシュして Stop Control に達する頃には、hans のアンカー(ヘルメットとをつなぐ接続金具)やヘルメットのあご紐に手をかけ、ヘルメットを脱いで…どんどん解いていきます。
タイムカードへの記録が終わるや走り出し、その頃にはもう次の方向指示を出しフックにヘルメットを掛けて収納完了、そんな感じです。

そもそも私は、マン島で鍛えられました。
私(女房殿こと店主のコドライバー)がステージラリーを始めた2013年〜 あの頃は、時間にがんじがらめに支配され遅れはペナルティに直結していました。
なので、ヘルメットを脱ぐこともそうですが、かぶる時間もかつっかつ。
おかげで被るのも脱ぐのも爆速です笑
時間を遵守せんが為の危険に配慮するようなルールが敷かれるようになったのは、コロナの後に復帰したマン島でのラリーから。
…とは言っても、時間はキリッキリに組み立てられているのでちっとも余裕はありません笑
車載カメラに時々映っていると思いますが、まー慌ただしく安全装備を解いてあたふたと走り出す、そんな我々です。

おかえり2025

横浜港へお迎えに行ってきました。
おかえり。

夫曰く、ポジションといい何といい、やっぱりこの本番車が一番しっくりくる…んだそうです。
当たり前ですよね。


毎年、思い出にフォトブックを作っています。
参加した方に差し上げてます。
今年はテキスト入り!

娘曰く、ブログと同じ匂いがする…と。
当たり前ですよね、半分は女房殿こと私が書いてますから。

楽しい本になりました。

ご興味ある方 
しばらく行ってないなぁ〜 懐かしがりたい方
来年以降の参考にされたい方

グレイス2Fにあり〼

ナニコレー

ちょっと脱線。
我々の特別な場所 Isle of Man で、先週末こんな催しが!

SNS などでマン島のあれこれをフォローしているのですが、こんなの回ってきて…
World Downhill Skateboarding Championship 第3戦はマン島。

ココは我々がラリーでも使ってたステージ “5 Ton Bridge” の道。
(地図をクリックすると、地図が出ます)
上の動画同様 山からぐんぐん降りるステージで、七曲り的なUターンを経て Sulby のそばまで川っぷちの道を駆け下ります。
動画のコースは、Uターンをこなした先でフィニッシュとなっています。

オリンピックでスケートボードが公式競技になってから、見かけるようになりましたが何だコレは…
藁束がコースの随所に置かれて、選手を守ってますね。

あの道でやってるのか…知ってるだけに絶句ものです。

MN2025 ふりかえり⑨ おまけ

Facebook の投稿に、今年の Manx Rally ふりかえり⑦ Leg3 で比較的詳しく触れた
The Baldwins(SS14 / 18)について紹介しているものがあったので貼り付けます。

The 20-kilometre stage is one of the most challenging and exciting parts of the famous annual Manx Rally ,crossing the island’s central mountains from north to south between the rural region of Ravensdale and the outskirts of its capital, Douglas.
The most interesting section is the rapid run in the middle, which is extremely quich with endless corners that come thick and fast and are not only taken at high speeds but also blind as they mostly arrive over crests.

“This stage is not for the faint-hearter and is a true test of the relationship between driver and co-driver”
Nicky Grist


20km のステージは、毎年恒例の Manx Rally の中でも最もチャレンジングでエキサイティングな区間の一つです。島の中央に連なる山を南北に横断し、Ravensdale の田園地帯と首都ダグラス郊外を結びます。
最も興味深いのは、中盤の高速走行です。この区間は非常にスピードに乗り、無数のコーナーが次々と現れ高速でコーナーを駆け抜けるだけでなく、コーナーのほとんどが クレストの先にあるため視界も限られています。

「このステージは気の弱い人には向かない。ドライバーとコ・ドライバーの関係性が真に試されるステージだ」
ニッキー・グリスト


Nicky Grist は、言わずと知れた 故 Colin McRae の元コ・ドライバー。
気が弱い人には向かない…言い得て妙。

MN2025 ふりかえり⑧ 「レギュラー」

ラリーが終わった日、夜9時から表彰式がありました。
今年も、昨年同様首都 Douglas のプロムナード(海に面した目抜通り)にあるホテルの宴会場で催されました。
ホテルのレストランで Sunday Roast で腹ごしらえしてから、続きの宴会場での表彰式に臨みました。

入り口にはバーカウンターがあって、飲み物を注文する参加者でごった返しています。
定刻をやや過ぎて、主催者から無事終わったことへの感謝、競技者を讃えるスピーチがあってクラス別の表彰が始まりました。

最終結果でもクラス2位、今年もクリスタルのトロフィーを頂きました…(帰りのバッグどうしよう汗)
ゲストって感じじゃなくて、遠くから参加するレギュラーとして迎えられている感じがします。
心なしか、我々の時は会場も妙に沸く気がするんだけど気のせいかしら…
完走することはもちろん、続けることの大変さは会場に集う誰もが知っているので、遠くから通ってくる我々を理解してくれているんだと勝手に思っています。

それにしても、華がないなぁ…(コドライバーこと、女房殿のことです)
去年は着物を持って行ったんですが、荷物が大変すぎて…もうやめました笑
何人か、去年の KIMONO のことで声をかけられましたが…いやぁ大変でした。
特にドレスコードもなく、女性が少しドレスアップしている印象だったので、昨年は思い切って小紋 x 名古屋帯でしたが着物を持って行ったんです。
どうなんだろう、もし次があるとしたら…着たほうがいいのかな KIMONO 。

兎にも角にも、Manx Rally 2025 終わっちゃいました。
とっても充実した3日間でした。
そして1年で一番集中する3日間が、終わりました。

MN2025 ふりかえり⑦ Leg3

お天気が崩れる予報ですが、ラリー中はどうにかもちそう…
泣いても笑っても、今日で終わりです。

1日目が終わって、クラス2位。
Leg1 のブレーキの不調が大きく響いたかと思いきや、トップとの差は45秒ほど。
つくづく Leg2 のキャンセル2本を恨めしく思いますが、まぁそれもラリー。
気を取り直して、今日は1セクション4本 x 2セットの計8本。
SS12 でついに、トップからコンマ4秒差にまで迫りました。
同じステージで、同い年のローカルヒーローより3秒速くフィニッシュ。
これは同じステージの2回目です。

ついにSS14 では、ローカルヒーローと1秒差、クラストップのドライバーより30秒早いタイム。
どうやらうちのドライバーは、この手の長いステージが得意…
初盤は狭くて道の悪い上りを何ヶ所か Cattle Grid を通過しながら。
続いて起伏の激しい細すぎて悪すぎる道を、途中 Cattle Grid を挟みながら進みます。
中盤は広いスピードが出る広い道、とはいえ山の上ですから緩やかなカーブからきついカーブまで、そしてまたまた時折 Cattle Grid
後半は決して広くはない木立を抜ける下りの道を、ひたすら首都ダグラスのそばまで駆けおりるハイスピードコース。

ちなみに Cattle Grid とは、羊や牛など草を食む家畜を通さないようにする道路の設備で、道の半分に柵がしてあり、路面は金属のパイプを渡してあったり、波板を敷いてあったりします。
いわゆる「蹄の動物」が嫌がる仕掛けなんだそうです。
これは去年の写真ですが、こんなところにこんなの(今年も SS14/18 で走ってます)

ホイ拡大

それにしても、ご覧くださいスペクテイターはこの辺りだと好きな場所で見ています。
競技車の動きを考慮して、危ないところはマーシャルによってとことん規制線が張られますが、そうでないところは日本では考えられない位、間近で観戦することができます。
奥に路駐しているのは、観戦のためにここへきている人たちの車。
マウンテンバイクで来ている人もいれば、オフロードバイクでここまでアプローチしている人もいます。
今年の観戦組(娘がコーディネート)は、まさにこの場所でも観戦したそうです。
記念に1枚。

ココから、右手の Heath の荒れ野原を進んで(ギリギリで走ったらしい笑)間近で観戦したそうです。

えーっと、脱線しました。
Cattle Grid を通過していくときはこんな感じ

道幅の半分しか通れない上に堅牢なフェンスで規制しているので、ペースノートにきちんと入れておかないと門柱に激突です。
とはいえほんの、ほんの少しでもタイムを詰めたいのでラインはギリッギリ。

では SS18 の動画をご覧ください。
上で紹介した Cattle Grid は、6:18 頃に通過しているものです。

ステージマップで見ると、こんなステージ。
上で紹介した箇所は『11番 – 12番』と番号が振られています。

ロードブックは…

この最終ステージも、クラスリーダー / ローカルヒーローより4〜5秒速くフィニッシュ。
無事走り切り、クラス2位で今年の Manx Rally を終えました。

セレモニアルフィニッシュ的なものは一切ナシ…結構このサラッとした感じが気に入っています。
興行性を考えると、華やかな演出もh欲しいところかもしれませんが、
「何というかラリーがやりたくてやってる!」
感が半端なくて、そういうところに時間と労力とお金をかけない、その姿勢が徹底してるなぁと勝手に思っています。

夜には Douglas のプロムナードに面したホテルの宴会場で、表彰式があります。

MN2025 ふりかえり⑧ へつづく

MN2025 ふりかえり ⑥ 夜のサービス

何だよーキャンセルだって誰だ〜??
なんて話しながらサービスパークへ戻る道すがら、もう1台のクルーから電話が。

クラッチがダメで、明日は多分もたない

えぇ…クラッチなんて部品ないぞ。
部品もなけりゃスペシャル工具もないぞ。

程なくしてもう1台が帰ってきました。
さぁどうする…

幸い、ミニで出てるエントラントの1人が中古(ほぼ新品)で部品を持ってて、譲ってもらうことができました。
(中古だからって部品代取ってくれなかった…ビール飲んでたからポテチとドリトスあげた)
深夜にも関わらず友人にも連絡しましたが、彼がストックを探しにいく前にサービス内で調達。
さすがにメカニック1人残して「お先に〜」って訳にはいかず。
1:00am すぎに作業は完了、片付けはお願いして翌日に備えました。

夫はヘーキでしたが、メカニックは作業しているとはいえイギリスの4月、しかも夜…
風邪ひきました。

MN2025 ふりかえり ⑦ へつづく

MN2025 ふりかえり ⑤ Leg2

暗くなってきました。
我々の Leg2 スタートは  ぼちぼち暗くなってきました。
Leg2 は、Leg1 のステージと概ね一緒。
スタートは一緒ですが距離が違ったり、終盤のコースが違ったり、などアレンジが加えられた全5本。

ここはSS7/8 島の南の幹線道路も使いつつ、普段なら制限速度 20マイルの磯づたいの私道みたいなほっそいうねった道を疾走する、短いけど面白いステージ のスタート前。

ブレーキの問題は解決済み!遅れを取り戻したいところです。
夜や土砂降りなど、条件が悪いと俄然やる気が出て結果も毎度上々なので、ナイトステージは割とイケイケ。
とはいえウチには小さい子供もいますから(笑)、腹八分目の感覚(全部出し切らない)でテンポよく刻んでいきます。

今年は車載カメラの映像あります(得意げ笑)

Special Stage でも、ここは LIVE 中継してました。
2:44:58 あたりから出てきます。
広い通りに出てスピードを乗せていくところ、角にはパブがあって観戦好適地でもあります。
短いステージを続けて2回走ることになっていて、ゼッケンのちょっと離れた車とミックスで30秒毎のスタートです。

photo by RallyGallery.com
(ホラ、人んちの脇をかすめて…)

残念ながら、Leg2 の最後の2本はキャンセル!
車も復調したし、夜のうちに貯金を作っておきたかったのですが…
サービスパークへ戻ります。
車は何ら問題なし、各所チェックのみでいいでしょう。

MN2025 ふりかえり ⑥ へつづく