なんだこりゃ…
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実は年の離れた独り身の姉の通院に、ここ3年ほど付き合ってきました。
手術に耐える体力があったので、86歳になる月にステージ3の胃がんの手術をし、以来手術では
取れない部位にあったがんの治療などに付き添って、時に治療方針を一緒に検討したりしてきました。
4月頃から、未だ巣食っているヤツの仕業で芳しくなく入退院を繰り返していますが、年齢的にも
諸々いよいよ厳しくなってきました。
本人の強い希望で自宅へ帰ることになったのですが…
彼女の住まいは巣鴨の1Kのマンション。
横浜にいる我々が、どんなに工夫しても自力で介護は不可能です。
ホントは施設でお世話になるのが我々も安心、本人も安全なのですが頑固すぎて受け入れません。
入院先のソーシャルワーカー、本人のケアマネージャー(姉は要支援1だった)と相談して、急激に
身体の状況が変わったので介護度を見直してもらい、手厚いケアが受けられるように!と画策の結果…
新しいケアマネさんは『在宅老人ホーム』というセットパッケージを持つ事業所の方。
巡回介護(ヘルパー)、訪問診療、訪問看護等を組み合わせて、自宅にいながらホームにいるような
サービスを受けられる、というもの…だそう。
ちなみに、23区内の限られた地域でのみ受けられるセットパッケージサービスだとか。
要は、受け入れる施設が極端に少ないから。
加えて、パンデミックの影響で病院がキャパオーバーになり、自宅へ戻すための環境整備が進んだ、
とでも言いましょうか。
で、『在宅老人ホーム』。
ふーん…
なんでもいい、「聞かない」姉の希望が叶うならお世話になろう。
これまで彼女は、自宅のお風呂で入浴を一切しませんでした。
銭湯に通っていたんです。
何でも自宅のお風呂で友達が亡くなったとかでそれだけはイヤだというのですが、まぁ家族に
言わせれば、89歳にもなって独居の時点でまぁアウトな訳で。
簡単に言うと、有事に「着衣か真っ裸か」ただそれだけの差。
とりあえず今回、自宅でまだ暮らすなら『自宅お風呂の開通及び使用』を条件にしました。
何せ4年ほど前に引っ越して以来、1度も使っておらず物置きになっていました。
退院の翌日、早速訪問看護士さんによる入浴のチャンスがあったにもかかわらず…
早速断っていました(頑固)。
姪がまず風呂場で足湯をし、むくんだ足を温かいお湯でねぎらったところ、気分が良かったようで、
その次のお風呂のチャンスにはお世話になり、内湯で入浴をしたようです。
なんて世話がやけるんだ…
動けないもどかしさと、日によってだいぶ違う体調、認知的な問題はかなり少ない…つまりかなり
「ハッキリ」しているのでだいぶ気に入らないとは思うんです。
もはや外出は難しいけど、横浜を田舎とこき下ろしあんなところに行けるかと言い放ち
(言う通り横浜は田舎ですよ笑)
体調悪い時は全然動けないからおさんどん無理なのに、施設は絶対に嫌だと自宅を好むのもわからない
仕方ない心模様は彼女にしかわからない。
いいです姉の望み通りにしてやります。
そうはいっても、姉は不服だろうと思いますが。