みんなミニに乗ってる!

今日、グレイスでドラマチックな出来事がありました。
10年来クラブ員として活動している2人と、ここ2年くらいのとあるお客様。
かつてはよその集まりで、短い間だったけど袖触れ合ってた…らしい。

互いに今どうしているかは、気になっていたけど知らずじまい。
「え…あの人まだミニに乗ってるの?!グレイスに来てるって?まさか…」

車検上がりの車両引取りと、ロードラリー試走の日が重なって。
ちょいと私が手引きをしましたが、3人は何十年振りにグレイスで再会を果たしました。

相手が息災であったこと、ちっとも雰囲気変わらないこと(容姿は多少…ね)、まだ3人が3人とも
ミニに乗っていること…
ひとしきり再会を喜び合い、こんな機会に恵まれたことに感謝し、また一緒に楽しもうと約束して
解散となりました。

私はメカニック。
車のお世話が仕事ですが、車を通して誰かの暮らしが豊かになったり、誰かと誰かが刺激し合ったり、
そんな言ってみれば「副産物」が、私の周りで起こってる。
そんな、「ちょっといいこと」をお相伴させてもらえる。
嬉しいことです。

これは私の友人が住む、ウェールズの小さな村の風景。

素朴ですが美しいですよね。
今日起きたことはまるでドラマみたいだけど、そもそもは素朴な感情から始まっています。

一生懸命やってる姿に心打たれたり、
コレが好き、という熱意とか

うまく言えないけど、素朴なものは直感的。
世の中が豊かになりすぎたのかな…素朴で直感的な感情につき動かされる、今の世の中には
欠乏しているように思います。
今日のドラマは、すこぶるシンプル。
紆余曲折あったけど、でもみんなミニが好きで乗ってる。

他に何か要るかな。

季節を取り込もう

昨日もなんだか暑かったなぁ。
姉の外来付き添いで都内にいたんですが、暑さがちょっと桁違い。
都内は住むところじゃないな…

週末にお客様が、ご自宅で実った栗をたくさんお届け下さいました。
さぁ、やるわよ…

軽く湯がいてから剥くと、剥きやすいですよね。
もちろん栗ご飯にします。

黒ごまを切らしてるな…
アクセントに欲しかったけど、まぁいいや。
季節の味わい、あぁ秋が来た。

台風一過の快晴…蒸し暑いよ

いい天気!でも蒸し暑い。
ホントならクラブ主催のロードラリーで、房総半島を走ってるハズでしたが仕方ない。
嵐が去った後の道を確認できないのは、万一の時危険につながります。

手があるので、ボディのリフレッシュを終えた MGB を移動しました。

ロードラリーですが、2週間後の10月9日(日)に仕切り直します。
コースのチェックは、来週オフィシャルが現地へ出向いてくれます。

申し込みそびれた方
9/25 には都合が合わなかった方
まだ行こうかどうしようか悩んでる方

10月1日まで追加募集をします。
ご参加、お問い合わせ、お待ちしてます。

車は口がきけない

コレ少し前ですが、エンジンを1基バラしていました。

車は口がきけませんが、無言のうちに実に多くのことを語ります。
このエンジンが載っていた車のオーナーは、実に車に厳しい人だったか、随所に見てとれます。
操作の一切が雑というか、とても荒い。
ありとあらゆるものが、偏摩耗っていうかあまり見ないようなコンディションで。
きっと口がきけたら、

「痛いよ、もうよして…痛い、痛い」

ききみみずきんがあったら、間違いなくそう聞こえるでしょうこの感じ。
でもききみみずきんで聞こえたところで乗り手にその痛みは伝わらない。
ここは是非、ハンムラビ法典システムで

目には目を、歯には歯を

これがサイコーなんじゃないかな。

とはいえ…
直したり甦らせたり、車にまつわる大抵のことはしますけど…
残念ながらこれはできないなぁ。

気付いて欲しいんだけど…

見てしまった

定休日。
貴重な休みに祝日をぶつけられちゃうわ、台風まで来ちゃってるわ。
被害が大きくならないといいのですが…

エアコンが変なニオイがする気がして、覗いたらフィンのとことか…
あぁ見てしまった…
我慢できませんバラします。
カバー外して、

フィンのユニットも外して
洗い担当は女房殿。
フィンにもホコリと黒カビがうっすら。
きっと体に良くないよな…

一時中座して、雨の合間を縫って週イチの買い出しに行きます。
エアコンの洗浄スプレーも買い足します。

祝日だからビビって出かけましたが、人出はまばらきっと土日がお休みの人は昨日のうちにお使いを
済ませていたんでしょうね、混んでなくて助かりました。
晩は、エリザベス2世の国葬を TV で見るんだ…

さ、降ろすか

Rover Mini 1.3i オリジナル車に取り掛かります。
ひとまずエンジンを下ろします。

高年式のミニになればなるほど、外観をいじり倒された車がたくさんありました。
ぶっといタイヤ、伴って張り出したオーバーフェンダー、ミニの素性の良さをぶっ壊すような陳腐な
架装が横行していました。
言われるままに、根拠もなくいいと信じきってそちらへ舵を切りダメになった車がどれだけあったか。

この車はオリジナルが積極的に残っている個体です。
だから、ひとまず敢えてそのままに、各機構をきちんと整えて用意します。

次はこの子だよ

少し倉庫に置いておいたら、クラッチがガッツリ張り付いた!
トラックの上で、どうにか動くように…トラックがゆさゆさ揺れます。


取れたっ!
次はこの車を作業して、新しいオーナーを探します。
Rover Mini Cooper 1.3i 1オーナーカーです。
ドアハンドルなどちょっとした味付けはしてありますが、外観他ほぼオリジナルです。

順に着手しますが、今回は敢えて見栄えには手をつけず内臓(エンジン・足廻り・電気配線等)を
オーバーホールして、安全に『走って・曲がって・止まる』車に仕上げます。

***
さぁ、こっちも内臓(笑)を組んでいきます。

地味だけど、深く深く実感

サスペンションの O/H 。
エンジンの O/H のほうが華がある?目がいきますよねきっと。
でも! でも! でも!
足廻りって、エンジン以上にじわじわへたってきてて感じづらいので…

オーバーホールすると見違えます!
コレ先週。

こっちは今週。

今週のほうは、50年もののリヤサブフレームがなかなかしびれる状態になっていたのでオーナーに
相談の上、交換。
これを見ちゃったら、そのまんま着けちゃって〜 とは言えないよなぁ…

というわけで、骨盤を交換したようなものなので、乗ってますます見違えると思います。
日々消耗してへたっていってる部分、見た目変わらずビックリするくらいシャキっとするので、
かーなーりー おススメです。

長くやってると

ウェブサイトのトップページにも記している通り、店主こと私がこの店を出してはや36年。
干支が3周するような年月。
短いような、長いような。
ミニと同い年の(1959生)26歳だった私は、おかげさまで今年63歳になろうとしています。
ありがたいことにだいぶ長いお客様も多く、店を開けた頃(開ける前の方も!)のお客様も未だ
いらっしゃいます。
未熟だった頃から、車をお任せ下さることで成長してこられました。
本当にありがたいことです。
しっくりくる表現が見つかりませんが、お客様も一緒に成長してきたように思う部分もあります。

年齢が進み、お客様の中にリタイヤする人がちらほら。
そして、私より年上の方にあっては、身の回りの整理…いわゆる『終活』の一環として車の整理を
考える方もおいでです。
考えたくない…気持ちもありますが、古い車に携わる者としてはありがたいことでもあります。
その人のもとは離れても、然るべき元へ受け継がれれば車は存続できるでしょう。

車を「己の所有物」としてしか見られない人もいる中で、
歴史の遺産として自分の手元を通過するように思っている方はまだまだ少ない中で、

ずっとお世話してきた我々に後を託してくれるんです。
本当にありがたいことです。
バトンのように思って、我々は扱っているつもりです。

これまで、何台となくうち棄てられた車を見てきました。
狭い業界の中で、変わり果てた姿になった車も。
何度もくどいようですが、車は人間が生み出した道具。
自分では何もできません。
1cm だって動けないんです。

車が活きるも死ぬも、携わった人次第。
せめてグレイスと袖触れ合った車だけでも守りたい、日夜そう思っています。