去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ②

さて、かくかくしかじかで実家の面々と1泊旅行に行くことになった私と娘。

我々は正直、旅慣れている方だと思います。
ですが、どこへ行くにも「旅」が目的のことはほぼありません。
出張だったり、競技出場のための遠征だったりが殆どです。
従って、宿も機能重視。
旅のアレンジは専ら、私の仕事でして。
目的地に照らして利便性はどうか、必要にして十分か、費用はどうか、駐車場は潤沢かetc…
楽しく仕事をしてはいますが、限られた時間・限られた情報でさっさと決断する、地味に
プレッシャーです笑
例えば家族とかならまだしも、用件がラリーだとそれなりの人数が動くことも少なくなく…
行き先が海外となれば、なおのこと。
みなさんの意見というかレビューも最初は気になりましたが、概ね満足との感想。
鼻が利くというかセンスいいというか(自画自賛 笑)、ミスらしいミスはなくて。

で、今回。
面子もいつもとは全然違うし、何といっても『上げ膳据え膳の温泉宿』がお題。
旅のメインディッシュが『宿の滞在』…宿の選択が旅の成功を大きく左右するわけです。
+金額のバランス…修善寺ともなればピンキリ、見極めないと。

***
ただ宿へ行っても芸がないので、御殿場の『とらや工房』へ立ち寄ります。
ご存知の方も多いと思いますが、とらや工房のとらやは、あの『とらや』。
和菓子を素朴に、自然の中で楽しむ…これがとらや工房のコンセプト。
朝生菓子(どらやきや大福)や干羊羹は通年、季節には葛まんじゅうなど。
喫茶も併設されていて、軽食と甘味が四季の移ろいと共に味わえます。

御殿場市東山 政治家や資産家の屋敷や別荘が数多くありました。
とらや工房は東山旧岸邸(岸信介元総理の自邸)ほど近くにあります。
昭和初期に作られた山門が、私たちを誘います。

ゆるくアーチを描く建物は、お店とその奥の工房、喫茶スペースのテラス席とが一体になっています。

お店でお土産にするどらやきや干羊羹(ひようかん)と一緒に、喫茶でひと息つきたいので夏の
甘味を注文しました。
私は水羊羹(手前)、娘は抹茶蜜のかき氷(向こう)をオーダー。

曲げわっぱの盆に木の器、木の匙。
自然の素材は見ても使ってもしっくりくきて、そんな器で自然が手に届くところでいただく涼菓は
暑さをしばし忘れさせます。
優しい甘さが沁み渡ります。
美味しい。

遊歩道に沿って流れる小川には、立派なオニヤンマが何度も行き交っていました。
束の間の涼を楽しみ、竹林に送られながら山門を出ます。

御殿場から小1時間かけて、修善寺の宿へと向かいます。
去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々③ につづく