帰宅した私に、女房殿が
「ステージラリーを始めて10年だけど、ついに私が知ってる人がお星様になった」
え誰?今度は誰なの…?
これは2009年、私が10年振りに海外のラリーに復帰した時、Rally Isle of Man です。
2日目の市街地ステージ、Castletown の中心にあるパブ(George Hotel)2階バルコニー。
階下にはこのステージの見どころであるモニュメントをかすめていくシケイン。
エントラントのプロフィールなどを交えながら実況しているところを、まだ私の隣に乗る前の女房殿が撮ったものです。
眼下はちょうど、こんな感じ。
Bob Milloy さん
名物インタビューアーで、BRC(British Rally Championship)のイベントをはじめ、我々が
毎年お邪魔していた Rally Isle of Man でも必ず見かける顔でした。
スタートですべての競技者を送り出し、フィニッシュで完走者をいつも迎えてくれました。
我々同様、走り切ったらあの顔あの声…と思ってきた競技者はすごい数でしょう。
2013年、コドライバーを女房殿にスイッチして臨んだ最初の年。
ラリー前からフィニッシュまで、都合5〜6日間両親にほったらかされてた娘が、女房殿に
ひっついてますね(小1)。
毎年、どんぶらこっことやってくる極東からのエントラントを、温かく迎えてくれました。
左端の車検委員、 Paul さんもいつもニコニコ。
彼らに会うと、あぁ今年もやってきたなと思ってたのに。
この年も、
Team Japan 4台体制で臨んだ、この年も。
我々クルーは、最終日ギヤボックストラブルに見舞われフィニッシュラインは通れず。
でも、けつっぺたがフィニッシュする時分にはどうにかグランドスタンド(スタート / フィニッシュ地点)に戻ってこられて、完走した仲間のインタビューに立ち会うことができました。
この年は主催者からのオファーがあって、Team Japan 所属?の2人の小学生(当時)がスターター /プライズギブン のお手伝いをしました。
同じ場所でスタッフの真似ごとをさせてもらったわけです。
この時、9歳だった娘は今、15歳。
絶対ラリーやるって言ってるし、ココであなたに娘を迎えてやって欲しかった。
あと5年くらいだったのに。
会場で動き回る関係者を見回すとポロシャツやラフな姿の人が多い中で、ボブさんは必ず襟のあるシャツをお召しで、足下は革靴でした。
あと、商売道具であるマイクをあまり握り込まないようで、すらっと長い指がいつも印象的でした。
またあなたに、フィニッシュラインで迎えて欲しかった。
当たり前だったことがもう叶わない、かなり寂しいです。
感染症のおかげで身動き取れない間に、大事な人たちがみんな彼方へ行ってしまう気がして。
そう言っているうちに、ひたひたと自分の順番は近づいていて。
Bob Milloy 1949 – 2022
スコットランドのモータージャーナリスト John Fife という人が運営するウェブサイトに、
ボブさんの生涯を簡潔にまとめた記事が載っていました。
最後に、 BRC のTwitter を貼り付けておきます。
72歳、ちょっと早すぎ…
いつも温かく迎えてくれて、ありがとうございました。
私たちは、あなたの声を忘れない。