環境が人を作るね

今日は、娘を親の都合で連れ回してきた話をします。

みなさまに可愛がっていただいてる、うちの娘は 2006年生まれ。
海外ラリー参戦/海外出張 そんなに頻繁にあるものではありませんが、その殆どに娘は同行
しました。
旅程的にはラリーなら2週間、出張なら1週間と少し程度。
夫が海外ラリーに復帰したのが 2009年、娘は2歳9か月でした。
やがて幼稚園、小学校、中学校と進むわけですが、構わず連れて行きました。
当然、渡航費用は安くありませんし、「学校を休ませるのか」といろんな人からやや批判めいた口調で
よく言われたものです。
出席日数だの、定期テストだの、気にならなかったかと言ったらそれはウソですが、担任・学年主任
などにざっかけなくありのままを伝えると、「ご家庭の教育方針に任せます」と、すんなり承諾。

先生が理解して下さってたかどうかは知らないけど、結果から言うと、少なからず価値観や物の見方に
影響はあると思います。
例えば…自分の暮らす毎日が、自分には当たり前でも場所が変わればそうじゃないこと、とか。
知っているのとそうでないのとでは、エラく違います。
固定概念に囚われづらい、物事を広く見られる、変化に柔軟でいられる、etc …

本人に聞くと、当然小さな頃は記憶がだいぶ曖昧だと言いますが、目で見て驚いたり肌で感じたり
足で歩いたりした記憶や経験は、その人のものになる。
形には残らないし、どんな余韻を残すともしれないけど、その人の血肉になる。
例えばそれが些細なことでも、

場所が違えば飛んでる鳥の色も全然違うんだね!とか

自由な動物園もあるんだね!(クジャクが園内をフラフラ歩いてる @ Melbourne Zoo)とか

日本じゃようやく袋に入れるとか勿体無いって言い出したけど、外国じゃ当たり前なんだね!とか
(参考までにこれは2010年メルボルン Victoria Market)
パックに入ってるなんて、ナンセンスだよ!とか

子供って優先なんだね!(それがどういうことかを教えるのは親の仕事)とか

その昔から、街をずっと見守ってきた教会が、肩肘張らないで今も静かに残ってるね、とか
(日本は木造なのと、地震が多いから難しい部分もあるよね)
それにしても、日本は「保存」っていうと過剰に整備しちゃうのってアレはなんだろう…とか

ねー見てーっ教会跡からすぐのお家にこんな表札が!Abbey Place で祈る姿だよ!
(実はこの後、自宅を建てた時にこんな感じの表札を UK にオーダーしたのでした、ミーハー笑)

上手く言えないけど、人は経験の生き物だから。

雨、降らなかった!

夫から午後、要請が。
「もし時間作れるなら…ノーチラス洗ってワックスかけてくれる?そろそろヤバい。」
ホイきたガッテン承知の助っ

娘とボトムを取り替え(私;綿のマキシスカート ⇄ 娘;中学校のジャージ)、いざ。
ノーチラス号はワックスもかけるので、流したら炎天下から避難、火照りを冷ましましょう。
その間に2台目を洗車。
そんなに洗って大丈夫?快晴だけど大丈夫…?
それにしても何て暑いの。
汗が止まりません。

赤いのを洗って拭き上げるうちに、ノーチラスの粗熱が取れたのでワックスをかけます。
今日は念入りに…天を向いている面(ルーフ・フード)は2度がけ。
ミニはボディの鋼板が室内に見えている部分があります。
Mk1 – 3 のベーシックモデルのダッシュパネルとか、ドアパネルとか。
そういうトコも、ワックスかけると気持ちがいいですよ。
特にドアの下方とか、ボディ側面のドアの開口部の下の方にワックスきいてると、水はけもそう
ですが、汚れも付きづらいのでなかなか有益です。

ピカピカになりました。
家へ帰って、ひと通り済ませてからこれを書いていますが、まだ雨は降りません…

去りゆく夏に、盛夏のことを少々 ⑤

少々、という割には随分長い…もうすぐ終わりますので(笑)もうしばらくおつきあい下さい。

***
動きたくないくらい満腹ですが、仲居さんに

「夜のお散歩、是非いらしてくださいね〜川向こうの竹林、夜はまた趣があります。」

と、体良く部屋から追い出され…
それもそのはず、上げ膳据え膳を熱望しお部屋へお食事を運んでもらいましたから。
そして食堂が寝間になるんだもの。
しかもお支度までしてもらっちゃうんですから。

邪魔。

さぁて、退場を命ぜられ腹ごなしに夜の散歩。
温泉地にはポツポツ足湯ポイントがあります。

お部屋から見えた朱塗りの橋。
これを渡って、例の竹林の小径へ向かいます。
仲居さん曰く、京都嵐山の竹林をイメージしてもらうとちょっと見劣りしますが…と。

いい雰囲気だよ?
川の音がなかなかに勇ましい…さわさわというよりはドードーに近いのかな。

この後、露天風呂に入って満足満足。
いつもより随分早く床に就きました。

お布団を敷き終わって仲居さんは、朝ごはんの時間を確認して下がっていきました。
朝ごはん…こんなに食べたけど夜が明けたらまたご飯…大丈夫かな笑

去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ⑥ へつづく

ミニって最高なんだから

私の毎日の足として、イヤをも言わず走ってくれる白いミニ。
遠くない将来、大幅リフレッシュを計画していますが、それに先立って内装トリム一式が
刷新されました。
キレイ担当が張り替えてくれました ❤︎
エンジン始動時には白煙が出てくるようになってきて、満身創痍の感も否めませんが…
トリムがキレイになったらいい車になった気がするんですから、人の感情なんていい加減なもんです笑

***
私のかつての生活の足だった ノーチラス号。
ちょっと手元を離れたら色々不具合出て、エンジン下ろして検証しました。

この後無事エンジンがかかり、この先乗ってくれる人との出会いを待ちます。
内装は Autumn Leaf を選んでいます。
秋に色づいた葉っぱを連想させる、キャラメルのような色。
車の色とい、内装といい。
この車も新車からグレイスでお世話していたものを引き取ってリフレッシュして。
蘇ってエンジンも内装も刷新。
1997年の個体です。
生産終了近くの車両ですからミニとしては『新しい』。
でも実に25年経っています。
25年経った車が、サラっとこうやって全て新品とは言わずとも、主要な機構は全てオーバーホール
したり部品を交換して、甦ってまた活きる。
こんな素晴らしいことってありますか?
知識と技術とが、それを可能にします。
新たにどーさどさ作らなくとも、みーんな捨てちゃわなくたって、いいんです。
新たに車を買えば、税金なんかもかかります。
政府は新しいものを消費させようと、燃費がいいと減税だのと必死。
長く維持している車には課税しようと躍起。
新しいのって、そんなにエラいの?
全部新しくなきゃいけないの?
我々が携わる車は、化石燃料に代わる燃料でだってちゃんと動きます。
それが証拠に、今年から WRC を戦う車たちは100%持続可能な燃料(いわゆるバイオ燃料)と
モーター(サービスパーク内と移動区間定められた区間:モンテカルロでは1511.47kmのうち3.6km)のハイブリッド車両 “Rally 1” にとって変わっています。
代替燃料でも、ラリーの最高峰で高いパフォーマンスを発揮できます。
ミニだって同じ。
これまでも様々な技術の移り変わりがありましたが、燃料にも対応すればいいことです。

脱線しかかってますが、新しいものは決して最良では…ない。
なぜならそれを作ることでよっぽども環境に害を及ぼしているから。
今ある使えるものからホイホイ新しいものに取り替えるのは…

環境を言い訳にして、ホントは飽きたからでしょ?

適材適所、この先は共生の時代へと移っていくべきと思います。


そして車体の色といい内装といい。
洒落てます。
内装は新品が買えるんですから…
知識と技術があれば、車を甦らせることができます。
手間もかかります、時代とテクノロジーとのすり合わせ、ヒストリックカーなどは倫理観も。
勉強も、研究も、探求も、テストも必要です。

知識と技術がない人がやるから、問題が起きるんです。

おかしいな?またか

ここ数日、ザーっと降らず中途半端に降った雨が水ぼうそうのようだったので、洗車しました。
イヤ
洗車するのに車に水をかけたその時、

薄日が差しているのにパラ雨…
え聞いてないけど?
拭き取る頃には止みました。


ところが、昼食を取って皆が下へ降りる時、

「さすが寛子さんが洗車しただけのことはあるね」

と夫。
ヤヤっ?!
外は割と密度の高い小糠雨。
ここのところ大丈夫だったのに。
やっぱり私が洗車すると雨が降る。

娘に言ったら「帰ったら拭こうね」
優しい子でよかった…
(は何ママウケるんだけど とか言われて笑われなくてよかった)

まだ降ってるしね…

去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ④

さぁお食事の時間です。
お膳にはお献立書がありました。
この旅館では、お料理に温泉水を使っているそうです。
修善寺温泉のお湯の特徴を見ると、『アルカリ性単純温泉』とあります。
単純温泉とは、成分が単純なのではなく含有成分量が一定に達していないものを指すそうです。
つまり、優しくマイルドな成分、ってこと。

◇箸付(先付)
胡麻豆腐
伊豆アマゴ昆布〆、巻玉子、蓮芋、茗荷子、山葵、美味出汁
玉蜀黍(とうもろこし)摺り流し
穂花、加賀太瓜
◇前菜
鱧寿司、鬼灯玉子、桃白酢掛け、白瓜昆布押し、川海老

自家製漬物の盛り合わせが中央に置かれ、取り分けて頂きました。

◇御椀(がっついて食べちゃって画像なし笑)
ずわい蟹進丈
鱸くず打ち、焼無花果、実柚子、おかひじき、パプリカ、じゅんさい

◇御造り

◇焼八寸(こちらも画像なし)
鮎塩焼き x 蓼酢、磯バイ貝、赤魚塩麹焼、里芋田楽、青唐、べに新大根、はじかみ

◇冷し鉢
茄子オランダ煮、冬瓜スープ煮、鰻千段旨煮、白ダツ胡麻煮、蝶人参、牛蒡、木の芽

炊き合わせのところに時節柄、冷し鉢と銘打って煮含めたお野菜などが色よく涼やかに整います。

◇酢肴
枝豆豆腐、烏賊、板矢貝、クコの実、長芋土佐漬け、地鯵南蛮漬、寄黄菊、エリンギ茸、トマト、
スナップエンドウ、土佐酢

◇食事
鮎つみれ煮、素麺、朝月、レモン

鮎をつみれに!レモンを切ったものを浮かべてなんともさっぱり❤︎
もうとっくにお腹いっぱいですが、不思議とさっぱり入っていってしまう…

◇甘味
黒米羊羹、生クリーム、マスカット、プラム

あぁおなかがいっぱい。
バチ当たりなことですが、こうもどっさり供されると美味しいラインを超えてしまいます。
たくさん食べなさい〜おもてなしの一面ではありますが、もうちょっと…何とかならないものかな。

小市民はこんなことを思うのでした。

去りゆく夏に、盛夏の小旅行を少々 ⑤ へつづく

突然ですが

今月買った本 2冊をご紹介。

右は書き下ろしの歴史小説、半年に1度刊行されてきましたが何と!今回噂によると完結らしく…
惜しくてまだ読んでません笑
終わっちゃうのね…
名残惜しいから、決算終わって時間ができたら一巻からおさらいしちゃおうかしら。

***
左の方は娘の勉強半分、私の趣味半分。
娘は高校へ上がってから、臨書に加え仮名の稽古を始めました。

まだ入り口、いろはから稽古しているのですが変体仮名(平仮名の異体字)が出てき始めていて。
変体仮名とは…
「ろ」は 呂 のほかに、路 でも表現する、とか
「る』は 留 のほかに、流 類 累 でも表現する、とか
「の」は 乃 のほかに、農 能 濃 野 でも表現する、とか

私は大学で江戸を専攻してて、ゼミで仮名草子とかを読んでたのでまぁ…読めます(7割程度)。
娘が書いてきたものや刊行物などを私が読むと、

うゎそんなの読めない読めない…

イヤ読めないと困るでしょオイ
っというわけで、選んだのがこの一冊。
明治時代の小学校で使っていた教科書なども引用しながら、かなりわかりやすい内容です。
仮名草子もそうですが、印刷(版を刷る)なので書よりもわかりやすいんですよね。
見慣れるにはとってもいい!

2人で読んでます笑

仮名にいくつも表現(形)があるだけなので、一見難しいようですが見慣れてくればだんだんと読める
ようになってくるのが不思議なところ。
そして面白くなってくる笑

文学部に進んだわけでもないのに、変体仮名を一緒に読むことになろうとは…
一緒になって読んでて、互いに楽しんでるのがちょっと嬉しい…

アレレ見え…

だんだん大きくなってたんですよね…作業用のズボンのうち1本の後ろポッケ脇の裂け目が…
そして先日ついに…

下着見えてますって汗

先日1本膝が盛大に破けて、そのズボンは補修用に切り刻んだので、その端切れで補修することに。
まずポケットの生地を利用しながらかがって、それからパッチワークしました。
うん、まぁ十分かな。
この手の修復は2回目ですが、脇から再び破けることは多分ないでしょう。

「白っぽい糸ある?」

10分後、カスタマイズされていました…

去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ③

宿からは 5pm までに到着して欲しい、難しければ連絡を…と、リクエストがありました。
数分早かったのですがチェックイン(正面はこんな感じ)そして…「浴衣を選ぶ」ところから。
フロント脇の棚には5〜6色の浴衣(4サイズ)そして帯がやはり5〜6色(リバーシブル)並んで
いて、そこから好みの組み合わせを選んでから部屋へ通されます。

創業は明治5年。
池を囲むように数多くの棟を廊下が結び、その池には立派な錦鯉が悠々と泳いでいます。
(多くは文化財として登録されているそうです)
お部屋にはエアコンがありますが、廊下はこのように窓が開いて蚊遣りが焚かれています。
ガラスはおそらく当時のものが多く残っているようで、肉眼でよく見るとややウネウネしています。

皆が同じ部屋でと予約したので、前室もそこそこ広さのある和室に通されました。
広間の先にはくれ(榑)縁があり、テラス?には各々部屋にあるのかな?足湯の設備がありました。
窓の外には桂川、なっかなかの水量でいい音してまして、蝉の声となかなかの音量でした。
川向こうにはどうやら竹林を行く小径がある模様…
赤い橋、風情があります。

仲居さんに伴われ部屋へと通されると、お疲れでしょうまず一服どうぞ…とお茶を淹れてくれました。
私含め娘らも、初めての経験です…
お茶を頂く間に、いくつかある浴場(もち温泉です…)の入浴時間や宿の感染症予防対策などの
説明がありました。
早めに来てね(5pm までにというリクエスト)には、こういう説明やらおもてなしがあるから
なんですね。
ガサガサガサっ、ドサっ、ふ〜 が定番の我々には、目新しいこと。

この後の夕食/翌朝の朝食の時間を決めると、仲居さんは配膳の時間を告げて下がっていきました。
川の音を聞きながら足湯を使う者あり、早速お風呂へ行く者あり。
メインイベントの『上げ膳据え膳』まで思い思いに過ごします笑

さぁ、陽が傾いてきました…

去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ④ へつづく

去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々 ②

さて、かくかくしかじかで実家の面々と1泊旅行に行くことになった私と娘。

我々は正直、旅慣れている方だと思います。
ですが、どこへ行くにも「旅」が目的のことはほぼありません。
出張だったり、競技出場のための遠征だったりが殆どです。
従って、宿も機能重視。
旅のアレンジは専ら、私の仕事でして。
目的地に照らして利便性はどうか、必要にして十分か、費用はどうか、駐車場は潤沢かetc…
楽しく仕事をしてはいますが、限られた時間・限られた情報でさっさと決断する、地味に
プレッシャーです笑
例えば家族とかならまだしも、用件がラリーだとそれなりの人数が動くことも少なくなく…
行き先が海外となれば、なおのこと。
みなさんの意見というかレビューも最初は気になりましたが、概ね満足との感想。
鼻が利くというかセンスいいというか(自画自賛 笑)、ミスらしいミスはなくて。

で、今回。
面子もいつもとは全然違うし、何といっても『上げ膳据え膳の温泉宿』がお題。
旅のメインディッシュが『宿の滞在』…宿の選択が旅の成功を大きく左右するわけです。
+金額のバランス…修善寺ともなればピンキリ、見極めないと。

***
ただ宿へ行っても芸がないので、御殿場の『とらや工房』へ立ち寄ります。
ご存知の方も多いと思いますが、とらや工房のとらやは、あの『とらや』。
和菓子を素朴に、自然の中で楽しむ…これがとらや工房のコンセプト。
朝生菓子(どらやきや大福)や干羊羹は通年、季節には葛まんじゅうなど。
喫茶も併設されていて、軽食と甘味が四季の移ろいと共に味わえます。

御殿場市東山 政治家や資産家の屋敷や別荘が数多くありました。
とらや工房は東山旧岸邸(岸信介元総理の自邸)ほど近くにあります。
昭和初期に作られた山門が、私たちを誘います。

ゆるくアーチを描く建物は、お店とその奥の工房、喫茶スペースのテラス席とが一体になっています。

お店でお土産にするどらやきや干羊羹(ひようかん)と一緒に、喫茶でひと息つきたいので夏の
甘味を注文しました。
私は水羊羹(手前)、娘は抹茶蜜のかき氷(向こう)をオーダー。

曲げわっぱの盆に木の器、木の匙。
自然の素材は見ても使ってもしっくりくきて、そんな器で自然が手に届くところでいただく涼菓は
暑さをしばし忘れさせます。
優しい甘さが沁み渡ります。
美味しい。

遊歩道に沿って流れる小川には、立派なオニヤンマが何度も行き交っていました。
束の間の涼を楽しみ、竹林に送られながら山門を出ます。

御殿場から小1時間かけて、修善寺の宿へと向かいます。
去りゆく夏に、盛夏の小旅行のことを少々③ につづく